臭素
読み:しゅうそ
外語:Br: Bromium

 常温で液体である唯一の非金属元素。褐色を呈する。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、66から98までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は二つある。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
66Br 陽子放射65Se
67Br 陽子放射66Se
68Br 陽子放射67Se
69Br 陽子放射68Se
70Br β+崩壊70Se
71Br β+崩壊71Se
72Br β+崩壊72Se
73Br β+崩壊73Se
74Br β+崩壊74Se
74mBr β+崩壊74Se
75Br1.61時β+崩壊75Se
EC崩壊75Se
76Br16.2時β+崩壊76Se
EC崩壊76Se
77Br58.0時EC崩壊77Se
β+崩壊77Se
78Br β+崩壊78Se
79Br50.69%安定核種(中性子数44)
80Br17.6分β崩壊80Kr
β+崩壊80Se
EC崩壊80Se
80mBr IT崩壊80Br
81Br49.31%安定核種(中性子数46)
82Br1.47日β崩壊82Kr
83Br2.4時β崩壊83Kr
84Br β崩壊84Kr
84mBr β崩壊84Kr
85Br β崩壊85Kr
86Br β崩壊86Kr
87Br β崩壊87Kr
88Br β崩壊88Kr
89Br β崩壊89Kr
90Br β崩壊90Kr
91Br β崩壊91Kr
92Br β崩壊92Kr
93Br β崩壊93Kr
94Br β崩壊94Kr
95Br β崩壊95Kr
96Br β崩壊96Kr
97Br β崩壊97Kr
98Br β崩壊98Kr
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 (塩素に似た)独特の臭いを持つため、臭素という名がある。
 しかし、臭いもの全てが臭素で出来ている訳ではない。ゴミやトイレの臭気の原因は臭素ではなく、有機酸のほか、有機アミンや有機硫黄化合物などが多いと考えられる。

安全性

適用法令

危険性

有害性

環境影響

発見
 1826(文政9)年、フランスのアントワーヌ・ジェローム・バラール(Antoine Je'ro^me Balard)によって、海水中より発見された。
 しかしそれ以前、ドイツの科学者ユストゥス・フォン・リービッヒ(Justus von Liebig)が臭素を手にしていた。だが製塩会社から分析を依頼された赤褐色の液体を、塩素と沃素の化合物だという先入観により誤認し、新元素発見の機会を逃してしまっていたのである。
 リービッヒは後に、学生に対し、研究者としての重要な教訓として、この件を語り継いだとされている。
 化学名Bromiumは、ギリシャ語で悪臭を意味するβρω~μοσ(bro~mos)から付けられた。

主な化合物

前後の元素
 
 34 セレン ‐ 34 臭素 ‐ 36 クリプトン

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