セレン
読み:セレン
外語:Se: Selenium

 半金属元素の一つ。複数の同素体があり、このうち六方晶系の灰色セレンは半導体である。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、64から95までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は六つある。
 なお、このうちセレン74(74Se)、セレン80(80Se)、セレン82(82Se)は、長寿命放射性同位体であるらしい。一説ではセレン82(82Se)の半減期8300京年以上とも言われる。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
64Se β+崩壊64As
65Se β+崩壊65As
66Se β+崩壊66As
67Se β+崩壊67As
68Se β+崩壊68As
69Se β+崩壊69As
70Se β+崩壊70As
71Se β+崩壊71As
72Se8.4日EC崩壊72As
73Se7.15時β+崩壊73As
EC崩壊73As
73mSe IT崩壊73Se
β+崩壊73As
74Se0.89%安定核種(中性子数40)
75Se118.5日EC崩壊75As
76Se9.37%安定核種(中性子数42)
77Se7.63%安定核種(中性子数43)
77mSe IT崩壊77Se
78Se23.77%安定核種(中性子数44)
79Se65万年β崩壊79Br
80Se49.61%安定核種(中性子数46)
81Se β崩壊81Br
81mSe IT崩壊81Se
β崩壊81Br
82Se8.73%8.3×1019崩壊82Kr
83Se β崩壊83Br
84Se β崩壊84Br
85Se β崩壊85Br
86Se β崩壊86Br
87Se β崩壊87Br
88Se β崩壊88Br
89Se β崩壊89Br
90Se β崩壊90Br
91Se β崩壊91Br
92Se β崩壊92Br
93Se β崩壊93Br
94Se β崩壊94Br
95Se β崩壊95Br
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 半導体工業や電子工業で利用されている。
 毒物指定だが、人間必須微量元素でもある。酵素の構成成分となる、抗酸化作用、などの働きがある。
 アメリカでは成人男性は70μg、成人女性は55μgを1日に摂るべき、とされている。
 健康食品などでセレンを高濃度に含有することをうたう商品もあるが、人間が生きていくのに必要とする量と毒性を発現する量との差が小さいので過剰摂取にならないよう、注意が必要である。
 食品では公魚(ワカサギ)、鰯(イワシ)、鰈(カレイ)などに多く含有する。

安全性

適用法令

危険性

有害性

環境影響

発見
 1817(文化14)年にスウェーデンの科学者ベルセーリウスによって発見された。
 化学名Seleniumの語源は、ギリシャ語で「」を意味するσελη'νη(sele^'ne^)で、同族のテルル(語源は地球)にちなんで付けられた。

主な化合物

前後の元素
 
 33 砒素 ‐ 34 セレン ‐ 35 臭素

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