地球
読み:ちきゅう
外語:Earth

 太陽系の第3惑星。現時点で生命活動が確認されている唯一の天体である。
 で出来た海洋が表面の7割を占め、生命を育む環境となった。また豊富な大気の主成分は窒素酸素であり、そのため地球は青く見える。
目次

概要

基本情報

衛星
 天然の衛星は一つで、と呼ばれている。
 月は他の惑星に対する衛星と比較すると特段に大きいのが特徴で、実際に冥王星よりも大きい。

特徴

内部構造


 大きく、三つの層からなる。表面から順に、次のように呼ばれる。
  1. 地殻 (〜100km)
  2. マントル (〜2,900km)
  3. 核 (2,900km〜)

地殻
 地殻は、我々が普段目にする層で、主に花崗岩と玄武岩からなる。
 厚さは平均で30km程度しかなく、厚い場所でも100km程度しかない。これは地球半径の2%にも満たない薄さである。
 最深部では、圧力は600MPa、温度は800K(527℃)程度である。

マントル
 地殻の下にはマントルがある。この層は、主に橄欖岩からなる。
 厚さは2,900km程度で、地球半径の45%、地球体積の80%を占める。
 最深部では、圧力は140GPa、温度は3,000K程度である。
 マントルというと、溶けて液状になったものという印象が強いが、実際はそうではなく、普通の岩である。ただし、超高温の核からの熱によりゆっくりとした速度で対流をしている。核に近い方が対流速度が速いが、マントルはこの対流速度によって三層に分けられる。
 マントルが高温でありながら固体の岩であるのは、その圧力のためである。火山から吹き出す液体のマグマもマントルであるが、これは温度が保持されたまま圧力だけが下がるため、液状化するのである。


 地球の中心にある層で、と若干のニッケルを主成分に、水素などの軽元素を含んでいると考えられている。
 核は、液体金属の外核と、固体金属の内核に分けられる。
 内核の中心部、つまり地球の中心は、圧力は360GPa、温度は7,600K程度とされている。
 外核は内核の周囲を対流している。速度は、一説では10m/h程度とされる。このような溶融鉄の対流は磁場を発生させることが知られており、この外核の対流系が地球の磁場を形成する主要因となっている。

内部の熱源
 地球の内部は高温である。この熱源は、半分が中心核の持っている熱、もう半分は地殻やマントル中に含まれる放射性物質(ウラントリウム)が崩壊する時に発生する熱である。
 地球は誕生した当時、熱い塊だった。この熱が核に今も残されている。
 ウランやトリウムは地表近くの地殻に半分、マントルに半分があると考えられている。これは、ウランやトリウムはイオン半径が大きいため、深くにある高密度の物質、つまり核には含まれにくいためである。

構成成分
 地球は現在、人類が到達した唯一の惑星であり、様々に調査されている。

地殻
 地殻の構成成分は次のとおり。上位3元素で全体の82.4%、上位8元素で98.5%を占めるとされる。
  1. 酸素(O) 46.6%
  2. 珪素(Si) 27.7%
  3. アルミニウム(Al) 8.1%
  4. (Fe) 5.0%
  5. カルシウム(Ca) 3.6%
  6. ナトリウム(Na) 2.8%
  7. カリウム(K) 2.6%
  8. マグネシウム(Mg) 2.1%
 覚え方として「おいしいアルよ鉄火巻、中はマグロ」などがあるらしい。

大気
 大気の構成成分は次のとおり。
  1. 窒素(N) 78%
  2. 酸素(O) 21%
  3. アルゴン(Ar) 微量
  4. 二酸化炭素 微量
  5. その他 微量

地球の物質

物質の由来
 何も無いところから物質は沸いて出てはこない。
 地球上にあるものは、惑星の形成期、あるいは惑星形成以降に地球に到来した、外来のものと考えられている。
 地球誕生後も数億年間にわたり隕石(小天体)や彗星の度重なる衝突を受けており、このときに隕石や彗星に含まれる様々な物質が地球にもたらされたと考えられている。中には、最初の地球生命の素材になるような物質もあったと見られている。


 は地球上に大量にあり、として地球を満たしている。
 地球上の水の起源には諸説あるが、太古に彗星が衝突した際にもたらされたとする説が有力である。彗星は「汚れた雪だるま」とされ、水分を多く含んでいる。
 NASAは2011(平成23)年10月5日、ハートレー第2彗星が地球に似た成分の水を持つと発表した。研究チームは2010(平成22)年11月に地球に接近した際、彗星が蒸発して発生した水蒸気を望遠鏡で観測、分析した。その結果、軽水素重水素の比率が地球の海水とほぼ一致することを明らかにした。
 これは、地球の誕生当時は熱く乾いた状態で、その後彗星や小惑星の度重なる衝突により水がもたらされたとする説を裏付けるものである。

有機物
 生物を構成するのが有機物である。特にアミノ酸が生体分子として重要だが、これはメタンアンモニア水素、水蒸気などで満たされた混合気体中で放電することで、非生物的に生成されることが知られている。
 ところが原始地球の大気は、メタンやアンモニアなどの強還元性の物質を殆ど含まず、二酸化炭素を主成分に、炭素窒素、水蒸気など還元性の低い物質からなっていたと考えられるようになっている。
 対して地球外にも有機物が多く存在することが知られ、炭素質コンドライトと呼ばれる黒色の隕石には炭素が多く含まれるほか、アミノ酸も含まれることが明らかとなった。ハレー彗星にも、1986(昭和61)年に接近したさいに分子量100を超える有機物が存在することが確認されている。

形状
 地球は球形に近いが球ではなく、扁平率は1/298.25で、洋梨に近い形状をしている。
 赤道半径は6378.137kmで、極半径は赤道半径よりも小さい。
 このため、赤道での緯度1″の弧の長さが30.72mなのに対し、極での緯度1″の弧の長さは31.03mとなる。

発見

発見者
 地球の存在は古くより知られており、発見者は不明。

名前
 他の惑星の名前がギリシャ神話ローマ神話を元にしているのに対し、英名Earthは、古い英語とゲルマン語が元になっている。
 同様に英語でthe globeともいうが、これは球体をより強調した地球を表現する語である。

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