読み:ひかり
外語:light

 電磁波のこと。狭義では電磁波のうち、約380nm〜約770nmのもの(可視光)をいう。
目次

概要
 日常で「光」と言った場合は、に見える光(可視光)、および可視光線と波長的に近い非可視の電磁波である赤外線紫外線を含めた電磁波のことを限定的に指すことが多い。言うなればこれは狭義での光である。
 しかし、科学分野においては、光とは全ての電磁波の総称である。つまり、電波も光の一種である。言うなればこれは広義での光である。
 なお、音波は電磁波ではないので、これは光ではない。日本の新幹線においても、「こだま」(音)と「ひかり」(光)は明確に区別されている。

特徴

光の正体
 量子論量子力学では、光とは素粒子の一つ光子である。
 光子は他の素粒子にはない特殊な性質を持っている。波の性質を持ちながら、しかし最小の塊からなって一つ二つと数えられる粒としての性質も持っているという、特殊な性質持った存在である。これを「波動と粒子の二重性」(wave〓particle duality)という。
 光子は無質量で、寿命は無限である。一度放たれた光子は、何らかの障害物に吸収されるなどしないかぎりは、無限に運動を続ける。例えば、120億光年などという遥か彼方を観測できるハッブル宇宙望遠鏡が存在できるのは、放たれた光が無限に広がり、それが観測できるからである。

光の速度は最速
 光速定数であり、常に一定である。
 光は、真空中で299,792.458km/s(259020.7km/cBeat)、つまるところ約30万km/sの速度がある。これは、1秒間で地球を7周半できることを示す。
 また、アルベルト・アインシュタイン一般相対性理論により、光速度不変の原理と、光速以上の速度は存在しない事が示されている。
 つまり光は宇宙で最速であり、その上に光源の運動状態や方向に関りなく、常に一定の速度で伝わる特徴を持っている。
 なお、物理学やSFでは、光速より速い粒子としてタキオンというものを定義している。

法則

光の三法則
 光には三つの特徴的な法則がある。次の三つが該当する。
 この他にも光は、散乱や回折干渉といった特徴的な現象を示す。

光は直進する
 光は直進する。これは、紀元前にユークリッド(エウクレイデス)によって示されている。
 またフェルマーの原理で「光は、二点間の経路のうち、最短の経路を通る」という径路最短直進の法則、光の直進性を示している。
 ブラックホールなど大質量の天体の周辺では光が曲がり、もって天文学では重力レンズという効果をもたらすが、これは重力によってその場の空間が歪んでいるためであり、光自体は直進している(つもりでいる)のである。
 この空間が歪むという理論はアインシュタインの一般相対性理論の重力方程式で示され、この式はドイツの天文学者シュバルツシルトによって解かれた。

光は反射する
 光が屈折率の異なる媒質に向かって入射されたとき、光の一部または全ては、その媒質の反対側へと進路を変更する。
 特に、屈折率の高いところから低い媒質に向かって入射したとき、光は全て反射し、これを全反射という。
 また光が媒質の境界面で反射する場合、反射角は常に入射角に等しい。

光は屈折する
 光が、屈折率の異なる媒質に向かって入射されたとき、光は媒質の境界で進路を変える。
 オランダの数学者スネルが発見し、オランダの物理学者ホイヘンスによって発表されたスネルの法則によると、光は屈折率の異なる二つの媒質の境界で屈折する、とされている。
 屈折する光の量と反射する光の量はそれぞれの物質の屈折率によって決まり、例えば光が屈折率が高い物質n1から屈折率が低い物質n2に入射された場合、その一部または全部は屈折して物質n2の中を進む。

光の種類
 光の種類と一言で言っても、様々な分野により様々な分類があり、奥は深い。特に芸術分野においては、それは顕著である。
 ここでは、科学的分野に限定して、これをカテゴライズする。

性質による分類

波長による分類

光関係の科学

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