チタン
読み:チタン
外語:Ti: Titanium

 4族に属する金属元素。「チタニウム」とも。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、38から63までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は五つある。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
38Ti 2陽子崩壊36Ca
39Ti β+崩壊39Sc
40Ti β+崩壊40Sc
41Ti β+崩壊41Sc
42Ti β+崩壊42Sc
43Ti β+崩壊43Sc
44Ti60年EC崩壊44Sc
45Ti3.05時β+崩壊45Sc
EC崩壊45Sc
46Ti8.25%安定核種(中性子数24)
47Ti7.44%安定核種(中性子数25)
48Ti73.72%安定核種(中性子数26)
49Ti5.41%安定核種(中性子数27)
50Ti5.18%安定核種(中性子数28)
51Ti5.79分β崩壊51V
52Ti β崩壊52V
53Ti β崩壊53V
54Ti β崩壊54V
55Ti β崩壊55V
56Ti β崩壊56V
57Ti β崩壊57V
58Ti β崩壊58V
59Ti β崩壊59V
60Ti β崩壊60V
61Ti β崩壊61V
62Ti β崩壊62V
63Ti β崩壊63V
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 チタニウムの地球上の存在量は多く、地殻を構成する元素としては9番目、金属としてはアルミニウムマグネシウムに次ぐ埋蔵量を誇る。
 しかし、チタニウムを高濃度で含む鉱石(ルチルなど)は非常に少なく、大部分は砂鉄などに低濃度で含まれることと、精製が困難であることから金属チタニウムは高価である。
 このため、希少金属(レアメタル)の一種となっている。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 1795(寛政7)年にドイツのクロップロートが発見したとされるが、1790(寛政2)年にイギリスのグレゴールが発見したとする説もある。
 英名Titaniumは、ギリシャ神話の巨人「Titan」(ティタン)が語源である。

主な用途
 強度、耐薬品性、耐磁性などに優れ、また比重もアルミと鉄の中間と比較的軽いため航空材として発達し、また酸化チタンは光触媒として使われた。
 価格が非常に高く、民生品にはあまり利用されていなかったが、チタニウム合金として使用することで価格が抑えられるようになった。
 金属アレルギーのおきにくい金属と言われ、医療機器や、メガネのフレームなどによく用いられてきた。
 近年の民生利用としては、薄型のノートパソコンの筐体としても定着してきた。但し、チタニウムには熱伝導性が悪いという問題があり、放熱に課題が残る。

主な化合物

主な合金
 チタン合金として様々なものが使われている。
 SFの世界でも、架空の超金属として「ルナ・チタニウム合金」(ガンダリウム)などがある。

前後の元素
 
 21 スカンジウム ‐ 22 チタニウム ‐ 23 バナジウム

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