バナジウム
読み:バナジウム
外語:V: Vanadium

 銀白色の金属元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、40から66までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
40V 陽子放射39Ti
41V 陽子放射40Ti
42V 陽子放射41Ti
43V β+崩壊43Ti
44V β+崩壊44Ti
α崩壊40Sc
45V β+崩壊45Ti
46V β+崩壊46Ti
47V β+崩壊47Ti
48V15.9735日EC崩壊48Ti
β+崩壊48Ti
49V330日EC崩壊49Ti
50V0.25%1.4×1017EC+β+崩壊50Ti
β崩壊50Cr
51V99.75%安定核種(中性子数28)
52V3.75分β崩壊52Cr
53V β崩壊53Cr
54V β崩壊54Cr
55V β崩壊55Cr
56V β崩壊56Cr
57V β崩壊57Cr
58V β崩壊58Cr
59V β崩壊59Cr
60V β崩壊60Cr
61V β崩壊61Cr
62V β崩壊62Cr
63V β崩壊63Cr
64V β崩壊64Cr
65V β崩壊65Cr
66V β崩壊66Cr
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

特徴

性質
 地殻中では、玄武岩などの塩基性岩に多く含まれている。10μg/L程度の濃度で海水中に含まれる。ある種のホヤが濃縮することが知られている。
 バナジウムは軟らかく延性があるため、加工しやすい金属である。鉄鋼に加えると酸化バナジウムとなり硬くなるため、日本刀作りなどにも使われる。
 その他、触媒としても広く用いられている。

インシュリン様作用
 バナジウムはインシュリン様作用があり、糖尿病の予防や改善に効果があるのではないかと言われている。
 このため、薬効は定かではないが、バナジウムの含まれたミネラルウォーターなどが広く市販されている。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 バナジウムは1801(享和元)年、メキシコのデル・リオによって発見された。しかし認められず、この発見は実はクロム化合物の一種だったとして撤回された。
 1830(天保元)年に、スウェーデンのセフストレームによって再度発見された。
 名前Vanadiumは、北欧神話の美と豊穣の女神バナジスにちなんで命名された。

主な化合物

前後の元素
 
 22 チタン ‐ 23 バナジウム ‐ 24 クロム

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