アスパルテーム |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質名・食品添加物編 (NSUBNFA) |
読み:アスパルテーム |
外語:aspartame |
品詞:名詞 |
アミノ酸系甘味料(人工甘味料)の一つ。甘味は砂糖の180〜200倍、エネルギーは砂糖と同じ約4[kcal/g]である。
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情報 |
基本情報 |
アスパルテーム
誘導体、関連物質の例 |
性質 |
構造 |
アスパルテームは、アミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンからなるジペプチドのメチルエステルである。
体内では、アスパラギン酸とフェニルアラニンのメチルエステルに分離する。
利点 |
砂糖と似たような甘さを示すが、齲蝕性がなく、虫歯の原因にならない。
甘味が強いため、僅かな量で済む。
またアミノ酸を骨格とするため、蛋白質と同様に消化、吸収、代謝されるという利点を持っている。
問題点 |
安全・危険という両意見に別れている物質であるが、アスパルテームの最大の問題は、毒性などよりも、まずまずいということである。
日本では昔、コカコーラの「タブクリア」などがあったが、あまりの不味さのため、呆気なく販売終了となった。ダイエット系コーラについては様々なレシピの努力により風味の改善努力をしつつ、他に冷菓、ヨーグルトなどにも使われている。
特徴 |
歴史 |
1966(昭和41)年にG.D Searle(サール)製薬会社のジェイムズ・シュラッター(James Schlatter)が、消化器潰瘍薬の開発中に偶然発見した。
その後、FDAに人工甘味料として申請、1974(昭和49)年に安全性を確認、1981(昭和56)年に使用許可がでた。
製法特許 |
現在、アスパルテームの製法特許は味の素が持っている。日本、米国、カナダ、欧州で特許が取得されている。
アスパルテームは味の素の主力商品の一つだが、製法特許を開発したのは味の素の元中央研究所プロセス開発研究所長 成瀬昌芳ら6人である。
後に、成瀬昌芳は発明対価の一部として同社に20億円の支払いを求める訴訟を起こした。一審東京地裁では、味の素が得た利益を約79億7000万円と算定し、成瀬さんの貢献度は2.5%と評価、受け取り済みの報償金1000万円を差し引いた約1億8900万円の支払いを味の素に命じる判決を出した。
味の素と成瀬の双方が控訴したが、東京高裁では1億5000万円の和解案が提示され、両者が受け入れたことで結審した。
安全性 |
毒性など |
アスパラギン酸もフェニルアラニンもただのアミノ酸である。
神経毒とされるが、通常の使用量で問題が出ることはない。
但し、これらのアミノ酸の量が偏るとアミノ酸の働きに異常が起きるため、特に妊婦は注意が必要という研究結果もある。
アスパルテームの危険性が主張されるシーンでは、フェニルアラニンのメチルエステルが加水分解されてメタノールが生成されると主張されている。
メタノールはアシドーシス(血液の酸性化)や網膜細胞の壊死を引き起こす劇物である。
但し、このような反応は体内では起こりにくく、更に実際のアスパルテーム摂取量で生成されるであろうメタノールの量は極めて微量である。元々砂糖の数百倍の甘さを持つものなので人工甘味料自体の含有量は低く、またアスパルテームを大量に掻き込むような状況も考えにくいので、心配する必要は全く無い。
人間の場合、250mg/kg体重以上の投与で血中メタノール濃度の上昇が見られる程度であり、通常の使用では人体への影響は無いとされる。250mg/kg体重は、体重60kgと仮定すると、砂糖3kg程度に相当する膨大な量である。
ただし、マウス実験で、動物に影響がないとされているレベルの1/1000の量でマウスの精子に障害を起こしたという実験結果もある。
ヒトでも恐らく、アスパルテームの摂り過ぎは精子数に影響があると見られる。
フェニルアラニンの代謝系に先天的な異常のある者、例えばフェニルケトン尿症の場合は、摂取できない。最悪で神経障害や脳障害を来す。
フェニルケトン尿症は10万人に一人とも言われる極めて希な病気で、フェニルケトン尿症では、牛乳も飲むことが出来ないが、アスパルテームも摂取することができない。
そのような病気を持たなければ、砂糖と同じ甘みを出すのに量を約1/200に出来る、つまりエネルギーも約1/200となり、ダイエットに利用できるという計算になる。
危険性 |
有害性 |
環境影響 |
リンク |
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