ひかり電話
読み:ひかり-でんわ

 NTT地域会社が提供するIP電話サービス。Bフレッツフレッツ 光ネクストで利用できる。
 同一設置場所で利用中の固定電話からの同番移行(0ABCDEFGHJ形式)が可能なIP電話サービスである。
目次

概要
 帯域に余裕のある光ファイバーを用いた電話サービスである。従来の固定電話の置き換えも念頭に入れられている。
 技術的には、音声通話のパケットを優先的に送受信することで、固定電話相当の音質を確保している。
 サービス提供者がNTTということもあり、110119などの緊急通報やフリーダイヤル(0120)への通話も可能であるが、特殊なサービスへは接続できない(詳細後述)。
 利用できる付加サービスはキャッチホンボイスワープナンバー・ディスプレイナンバー・リクエストなど。

技術

設備
 ひかり電話を使用するためには、専用のルーター「VoIPアダプタ」が必要で、これはNTT地域会社よりレンタルされる。
 外から引き込まれた光ファイバーは、まずONUを介し、Bフレッツならその直後、フレッツ 光ネクストなら更にCTUを介した後でVoIPアダプタに接続され、ここに電話機を繋げる。
 ONUとVoIPアダプタの間にHUBを噛ませることは可能だが、ルーターを入れることはできないようである。ルーターは、VoIPアダプタに繋げることになる。

特徴、注意点
 以下に、各課題ごとの解決方法と注意点を示す。

契約可能なフレッツ
 上流回線が1Gbps以上の光ファイバー利用型フレッツで利用できる。
 NTT東日本ではBフレッツ ハイパーファミリータイプ、NTT西日本ではフレッツ・光プレミアム、および法人向けのもの。
 光でも上流回線が10Mbpsや100Mbpsのもの、あるいはフレッツ・ADSLフレッツ・ISDNなどは対象外である。

利用できる電話機
 通常のアナログ回線用プッシュ式電話機であれば問題なく利用できる。
 その場合でも、ACR(LCR)機能がある場合は解除しないと利用できない。
 ISDN電話機は利用できない。

利用できるFAX
 通常のアナログ回線用FAX(G3)であれば問題なく利用できる。
 G4はISDN用であるので、利用できない。

通常の電話に対する制限
 停電時には使えない。また、特番関係では掛けられない番号が多数存在する(後述)。

マイライン
 このサービスは、マイラインの対象外である。
 従って、加入電話などからひかり電話へ切り換えた場合、マイライン契約は解除される。

接続できない番号
 これを著している時点で、接続できない/できる番号は、以下のとおりである。

通常の電話
 事業者識別番号付きのダイアルは、NTT東日本(0036)やNTT西日本(0039)であっても、例外無くダイアルできない。ACR(LCR)機能がある場合、必ず解除が必要である。

0AB0系特番
 0AB0(AとBは任意の数字)から始まる特番は、一部しか利用できない。
 なお、この番号に該当しても、市外局番であれば全て問題なく利用可能。

利用可能
 但し、0120/0800のフリーダイヤル等は、着信側契約者がひかり電話(IP電話)を着信させない契約内容にしている場合は、接続できない。
 また、0570はNTTコミュニケーションズが提供するナビダイヤルのみ接続可能で、かつナビダイヤル契約者がひかり電話を着信させる契約内容の場合のみ、接続できる。

利用不可能
 利用できるもの以外は全て利用できないが、その代表例を以下に示す。
 ただし「0990」(ダイヤルQ2)でも、大規模災害発生時にテレビ局が提供している次の3大詐欺募金は例外として接続できる。

0A0系特番

利用可能

利用不可能

1XY系特番

利用可能
 135(特定番号通知機能)は、2005(平成17)年4月14日からサービスが開始された。

利用不可能
 利用できるもの以外は全て利用できないが、その代表例を以下に示す。
 100番通話(100)とコレクトコール(106・108)は、発信だけでなく着信も利用不可。

障害

NTT東日本
 サービス利用者が増え過ぎ、NTT東日本では2006(平成18)年9月に次々と障害が発生した。大規模なものでは、網内から網外(ひかり電話からひかり電話以外)への通話に次の二回の障害が発生している。
 そこで、2006(平成18)年9月21日09:04(@044)頃より約20%の発信規制を開始、2006(平成18)年9月21日09:40(@069)頃には規制率を50%に引き上げた。
 また、網外から網内(ひかり電話以外からひかり電話)への通話も、2006(平成18)年9月21日09:30(@062)頃より約50%の規制が開始された。

NTT西日本
 サービス利用者が増え過ぎ、NTT西日本でも2006(平成18)年3月〜4月に障害が発生しており、そして2006(平成18)年10月23日に大規模な障害が発生した。
 対策として、呼処理サーバー増設が行なわれ、また加入者データの分散も行なわれた。この間、最大で95%の発着信規制が掛けられている。

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