通信プロトコル |
辞書:通信用語の基礎知識 通信技術用語編 (CTYOGO) |
読み:つうしんプロトコル |
外語:communication protocol |
品詞:名詞 |
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概要 |
データ回線にデータを流すための物理的な方式や、その回線上で実際のデータを送受信するための論理的な方式などが規定されるもの。
JIS X 0009では「通信を行なうに際し、機能単位の動作を決定する意味上及び構文上の規則の集合」とする。
特徴 |
プロトコルは、電気信号や光信号、電波などを扱うハードウェアに直結するものから、データ加工などのアプリケーションに近いものまでがあり、これらは階層構造によって分けることができる。
この分け方については設計によって様々であるが、現在ではISOにより規定されたOSI参照モデルなどが標準となっている。
OSIでは、物理媒体(通信回線等)に近いものから順に、次のように7階層とされている。
実際のプロトコルは、この層の一部分のみしか構成しなかったり、逆に複数の層にまたがる機能を有することもある。
後述するが、インターネットのプロトコルなどは7層が存在しない代表的なもので、4層しかない。
階層 |
物理的なプロトコル |
物理的なプロトコルは、OSI参照モデルでは下位層、つまり第1層の物理層、第2層のデータリンク層が該当する。
具体的には、Ethernet、Token Ring、FDDI、LocalTalkのようなLAN用のもののほか、V.11などアナログモデムで用いられるプロトコルなど、様々ある。
論理的なプロトコル |
論理的なプロトコルは、前述の物理的なプロトコルの補助の元で、データの種類に応じた効率的な送受信を実現し、必要に応じてある種の機能をも持たせることを目的としている。
OSI参照モデルでは中位層と上位層に大きく分けられて考えられている。
インターネットプロトコルの階層構造はRFC 1122において4層で定義されており、以来一度も変更されていない。
OSIにおける上位層(第5層/第6層/第7層)は、インターネットでは全てまとめてアプリケーション層と呼んでおり、つまり第7層の扱いとなっている。
このようなTCP/IPプロトコルスイートでは、TCP/IPなどが中位層の階層であり、その上で動作するFTPやHTTPのようなプロトコルが上位層の階層のプロトコルである。
そのほかにも、アナログモデムの時代には上位層プロトコルとしてXMODEM/YMODEM/ZMODEM/MLINK/B Plus/QuickVanなどが、ファイル伝送専用プロトコルとして使われていた。
パソコン通信の場合、無手順通信、つまりプロトコルなしで通信するため、一般の電信に関しては物理層の上で直接交信し、ファイルのアップロード/ダウンロードには前述のような専用のプロトコルを使うわけである。
主なプロトコル |
現在でもよく使われている、インターネットに関連深いプロトコルを各階層ごとに分類すると、次のようになる(原則としてアルファベット順)。
第1層 物理層 (physical layer) |
第2層 データリンク層 (data link layer) |
第2層+第3層 |
第3層 ネットワーク層 (network layer) |
第3層+第4層 |
第4層 トランスポート層 (transport layer) |
第5層 セッション層 (session layer) |
第6層 プレゼンテーション層 (presentation layer) |
第7層 アプリケーション層 (application layer) |
プロトコルの提案 |
現在、インターネットで広く使われるプロトコルの多くは、RFCとして提案されたものである。
RFCにおけるプロトコルは、次のように分類される。
プロトコルの名前 |
プロトコルの名前は慣習的に大文字で表記される。
またそのプロトコルを実際に実装したものについては小文字で表記されるのが一般的である。
リンク |
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