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T1/2 = ln(2)/λ移項すると、崩壊定数λは次のように定義できる。
λ = ln(2)/T1/2半減期との単純な比例関係となり、半減期が短いほど分母が小さくなるので崩壊定数が大きくなることが分かる。
-(N/dt) = λNNAをアボガドロ定数とすると、放射性同位体の質量は次の式となる。
N/NA[mol] × m[g/mol]さて、この二つの式を用いると比放射能Sは、次式で、放射性同位体の単位質量当たりの放射能として定義される。
S[Bq/g] = λN/mN/Na = λNa/m崩壊定数λは既に上で定義されているため、これを代入すると、式は次のようになる。
S = ln(2)×Na/T1/2×m定数を代入すると、式は次のようになる。
S[Bq/g] ≒ 4.17×1023/T1/2秒×m1年は365×24×60×60秒であるので、これで割ると、年あたりの式は次のようになる。
S[Bq/g] ≒ 1.32×1016/T1/2年×mこれによって、半減期(秒または年)と質量数から、グラム毎ベクレルがすぐに求められるようになった。
S[Bq/g] ≒ 1.32×1016/30.07年×137 ≒ 3.2×1012[Bq/g]つまりセシウム137は1グラムあたり約3兆2000億ベクレルということになる。言い換えれば、例えばセシウム137が100万ベクレルあったとしても質量はたかだか0.0000003グラムということが分かる。
同位体 | 半減期 | Bq/g | g/Bq | |
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三重水素 | 12.33年 | 3.67×1014 | 367兆 | 2.79×10−15 |
炭素14 | 5730年 | 1.65×1011 | 1650億 | 6.07×10−12 |
カリウム40 | 12.7億年 | 2.60×105 | 26万 | 3.85×10−6 |
コバルト60 | 5.271年 | 4.18×1013 | 41兆8000億 | 2.39×10−14 |
ニッケル63 | 100.1年 | 2.09×1012 | 2兆900億 | 4.78×10−13 |
ストロンチウム89 | 50.53日 | 1.10×1015 | 1100兆 | 9.09×10−16 |
ストロンチウム90 | 28.78年 | 5.10×1012 | 5兆1000億 | 1.96×10−13 |
ニオブ95 | 34.975日 | 1.45×1015 | 1450兆 | 6.90×10−16 |
沃素131 | 8.0207日 | 4.59×1015 | 4590兆 | 2.18×10−16 |
沃素134 | 53分 | 9.77×1017 | 97京7000兆 | 1.02×10−18 |
セシウム134 | 2.0648年 | 4.77×1013 | 47兆7000億 | 2.10×10−14 |
セシウム137 | 30.07年 | 3.20×1012 | 3兆2000億 | 3.12×10−13 |
ラジウム226 | 1600年 | 3.65×1010 | 365億 | 2.74×10−11 |
ウラン233 | 15.92万年 | 3.56×108 | 3億5600万 | 2.81×10−9 |
ウラン235 | 7億年 | 8.02×104 | 8万 | 1.25×10−5 |
ウラン238 | 44億6800万年 | 1.24×104 | 1兆2400 | 8.06×10−5 |
プルトニウム239 | 2万4110年 | 2.29×109 | 22億9000万 | 4.37×10−10 |