アボガドロ定数
読み:アボガドロていすう
外語:Avogadro constant

 基礎物理定数の一つで、物質量1molを構成する粒子の個数を表わす定数
目次

概要
 アボガドロ定数はミクロの世界とマクロの世界を結びつける基礎物理定数であり、具体的には、質量物質量を結びつける。
 アボガドロ定数個の要素粒子を集めると概ね1molになるが、これは旧定義でも新定義でも不確かさがある。旧定義では誤差があること、新定義では無関係な定数になってしまったことから。
 アボガドロ定数個の原子は、気体の場合、実験結果から標準状態(1atm、0℃)で22.4Lを占める。

特徴

かつての定義
 国際単位系における物質量の単位であるモル(mol)は、当初は「0.012kgの核種12Cの中に存在する原子の数と等しい数の要素粒子を含む系の物質量である」と定義されていた。
 従って、核種12Cのモル質量M(12C)は12g/molであり、この系に含まれる原子の数はアボガドロ定数に等しい。
 具体的な値は、次の通りと計算された。
 NA=6.02214199(47)×1023 mol−1 (カッコは下二桁の誤差)

キログラムの再定義
 キログラムの定義が現在は分銅の質量ということになっており、より普遍的な定義で再定義しようという研究が長く行なわれていた。アボガドロ定数による定義方法は、プランク定数による定義方法と並ぶ有力候補ではあった。
 例えば、「1kgは5.018…×1025個の炭素原子12Cの質量に等しい」のように定義できることになる。5.018…×1025は、アボガドロ定数を1000/12して求めることができる。

モルの再定義
 キログラムに関連付けられているモルを再定義するにあたり、SIはアボガドロ定数を正確にNA=6.02214076×1023 mol−1と定義した。
 これに伴いモルの定義も自動的に定まり、モルはキログラムに依存しなくなった。
 その弊害として、12Cのモル質量などが不確かさを持つようになってしまった。旧定義では正確に12g/molであるが、新定義ではそうではない。

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