ウラン233
読み:ウラン-にひゃくさんじゅうさん
外語:233 U
ウランの同位体の一つ。
情報
- 記号: 233U
- 原子番号: 92
- 質量数: 233 (陽子92、中性子141)
- 天然存在比: なし
- 半減期: 15.92万年
- 比放射能: 3.56×108 (3億5600万Bq/g)
- 比放射能の逆数: 2.81×10−9
- 崩壊の種類:崩壊後生成物
- α崩壊 → 229Th
- 自発核分裂(SF)
- 24Ne核放射 → 209Pb
- 主な由来
- 233Pa (β−崩壊) 半減期26.967日 (ネプツニウム系列)
- 237Pu (α崩壊) 半減期45.2日
- 232Th (中性子捕獲) 原子炉等での反応
概要
天然には存在しない。しかし、熱中性子(低エネルギー中性子)で効率良く核分裂する、核燃料の一つである。
ネプツニウム系列の崩壊生成核種であるほか、トリウム232は中性子を吸収してβ−崩壊(β崩壊)するとウラン233に転換する特徴がある。
特徴
核燃料化
豊富に産出するトリウムから核燃料ウラン233を生成することができるため、これを原子力発電に使うことが研究されている。
トリウム燃料サイクルと呼ばれており、トリウム熔融塩炉などが研究されている。
生体への影響
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)における、ウラン233の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
- 吸入摂取した場合 (六フッ化ウラン、フッ化ウラニル、硝酸ウラニル等の六価の化合物) 6.6×10−4
- 吸入摂取した場合 (三酸化ウラン、四フッ化ウラン、四塩化ウラン等の難溶性の化合物) 2.2×10−3
- 吸入摂取した場合 (二酸化ウラン、八酸化三ウラン等の不溶性の化合物) 6.9×10−3
- 経口摂取した場合 (四価のウラン化合物以外の化合物) 5.0×10−5
- 経口摂取した場合 (二酸化ウラン、八酸化ウラン、四フッ化ウラン等の四価の化合物) 8.5×10−6
つまり、四価以外の化合物10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.50ミリシーベルト(500マイクロシーベルト)である。
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