プルトニウム239
読み:プルトニウム-にひゃくさんじゅうきゅう
外語:239 Pu

 プルトニウム同位体の一つ。
目次

情報

概要
 プルトニウム239は、プルトニウム241とともに、プルトニウムの中では核分裂を起こしやすい同位体であるため、核燃料核兵器原料などに使われる。
 かつては天然に存在しないと考えられてきたが、プルトニウム239はウラン鉱石中に僅かに含まれている。これは、後述するようにウラン238が中性子捕獲することで、このプルトニウム239が生じるためである。

特徴

核燃料化
 天然ウランの大半を占める238U(ウラン238)に中性子を衝突させると、次の反応により239Pu(プルトニウム239)が作られる。
  1. 238U(ウラン238)が中性子捕獲で239U(ウラン239)に変化
  2. 239Uがβ崩壊(β崩壊)して239Np(ネプツニウム239)に変化 (239Uの半減期は23.45分)
  3. 239Npがβ崩壊(β崩壊)して239Pu(プルトニウム239)に変化 (239Npの半減期は2.3565日)
 ウラン238は核分裂しないため、そのままでは核燃料にならないゴミ(劣化ウラン)だが、うまく加工すれば燃料として利用できる。現在は、そのための、安全かつ効率的な手法の開発・研究がなされている。

生体への影響
 科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)における、プルトニウム239の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
 つまり、硝酸塩及び不溶性の酸化物以外の化合物10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は2.5ミリシーベルト、同量を吸入摂取した場合は320ミリシーベルトである。
 プルトニウムはかなり放射能が強いが、経口の場合、消化吸収されないため便として出てしまえばそれで終わりという特徴もある。

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