抗利尿ホルモン
読み:こう-りにょうホルモン
外語:ADH: anti-diuretic hormone
利尿作用
を弱める
ホルモン
。バソプレシン。
目次
概要
基本情報
誘導体、関連物質の例
特徴
機能
先天異常
その他
概要
基本情報
組成式: C
43
H
67
N
15
O
12
S
2
一次構造
: Cys‐Tyr‐Phe‐Gln‐Asn‐Cys‐Pro‐Arg‐Gly (二つのCysは
ジスルフィド結合
している)
分子量
: 1050.22
比重
: (該当資料なし)
融点
: (該当資料なし)
沸点
: (該当資料なし)
CAS番号
: 9034-50-8、11000-17-2(バソプレシン注射液)、113-79-1(タンニン酸塩)
ICSC番号: (登録なし)
誘導体、関連物質の例
リプレシン (50-57-7)
デスモプレシン
(16679-58-6)
デスモプレシン酢酸塩 (16789-98-3)
医薬品としてよく使われるのは、デスモプレシンの酢酸塩である。
特徴
9つの
アミノ酸
からなるペプチドである。
機能
抗利尿ホルモンは
視床下部
で作られ、
脳下垂体
の後葉に貯蔵される。またバソプレシンの異名があり、末梢血管を収縮させて
血圧
を上昇させる作用も持っている。
このホルモンは
腎臓
内の
ネフロン
の一端である
集合管
に作用し、ここでの
尿
の濃縮を調整し、作られる尿量を減らす。年齢性別を問わず、生涯必要なホルモンである。
夜間(睡眠中)は昼間(覚醒時)と比べて抗利尿ホルモンの分泌が二倍程度に増加し、尿量を昼間の60%〜70%程度にまで減らす。
新生児
では殆ど分泌されないため、結果として睡眠中も尿が大量に作られて
夜尿症
(
おねしょ
)をすることになるが、ある程度成長するとホルモンが働くようになり、おねしょをしなくなる。
先天異常
遺伝病でこのホルモンが先天的に欠乏していると中枢性尿崩症という
病気
となる。またホルモンが正常でも、何らかの理由で尿細管機能に作用しない場合は腎性尿崩症となる。
これら
尿崩症
では尿濃縮力に障害が生じ、もって身体に必要な
水分
まで尿として排出してしまうため、口渇や多飲、多尿を来す事になる。
その他
腎機能が障害されたり、あるいは高齢者では、抗利尿ホルモンの量は正常であっても
腎臓
での濃縮力が弱まるため、睡眠中に生成される尿量が減少しない。
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