タングステン
読み:タングステン
外語:W: Wolframium

 銀白色の金属元素の一つ。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、157から194までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は4つある。
 しかし、いずれも長寿命放射性同位体であると考えられている。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
157W   
158W α崩壊174Hf
159W α崩壊155Hf
β+崩壊159Ta
160W α崩壊156Hf
β+崩壊160Ta
161W α崩壊157Hf
β+崩壊161Ta
162W α崩壊158Hf
β+崩壊162Ta
163W α崩壊159Hf
β+崩壊163Ta
164W β+崩壊164Ta
165W β+崩壊165Ta
166W β+崩壊166Ta
167W β+崩壊167Ta
168W β+崩壊168Ta
169W β+崩壊169Ta
170W β+崩壊170Ta
171W β+崩壊171Ta
172W β+崩壊172Ta
173W β+崩壊173Ta
174W β+崩壊174Ta
175W β+崩壊175Ta
176W EC崩壊176Ta
177W β+崩壊177Ta
178W21.6日EC崩壊178Ta
179W β+崩壊179Ta
179mW   
180W0.12%180京年α崩壊176Hf
181W121.2日EC崩壊181Ta
182W26.50%安定核種(中性子数108)
183W14.31%安定核種(中性子数109)
183mW   
184W30.64%安定核種(中性子数110)
185W75.1日β崩壊185Re
185mW   
186W28.43%安定核種(中性子数112)
187W23.72時β崩壊187Re
188W69.4日β崩壊188Re
189W β崩壊189Re
190W β崩壊190Re
191W β崩壊191Re
192W β崩壊192Re
193W β崩壊193Re
194W β崩壊194Re
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

特徴
 金属中最高の沸点を持ち、また細く加工できるため、電球フィラメントなどに使われている。
 純粋なタングステンは軟らかいが、不純物により硬くなる。炭化タングステン(WC)は超硬合金の一種で、ダイアモンド、炭化硼素(B4C)に次ぐ硬さを持つ物質である。
 また、六弗化タングステン(WF6)は、気体の中で最も密度が高い(分子量が大きい)物質である。
 タングステンはヒトはじめ哺乳類必須元素ではない(同族のモリブデンは必須)が、好熱菌の中にはタングステンを必須とするものがある。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 昔から存在だけは知られていたが、1781(天明元)年にスウェーデンの科学者シェーレが単離した。
 英名は、スウェーデン語で重い石、Tung(重い)+sten(石)から命名された。
 ラテン語名のWolfraniumは、1783(天明3)年にスペインのデルイヤール兄弟が鉄マンガン重石(英名Wolframite)から抽出し、鉱物名からWolframと命名された。これがラテン語名として採用されたほか、ドイツ語でもWolframとなっている。

主な化合物

前後の元素
 
 73 タンタル ‐ 74 タングステン ‐ 75 レニウム

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