ゲルマニウム
読み:ゲルマニウム
外語:Ge: Germanium

 銀灰色の半金属元素。半導体元素であり、金属としての性質の全てを持っていない。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、58から90までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は四つある。
 なお、このうちゲルマニウム76(76Ge)は、長寿命放射性同位体であるらしく、一説では半減期11垓年以上とも言われる。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
58Ge 2陽子放出56Zn
59Ge 2陽子放出57Zn
60Ge 2陽子放出58Zn
β+崩壊60Ga
61Ge β+崩壊61Ga
62Ge β+崩壊62Ga
63Ge β+崩壊63Ga
64Ge β+崩壊64Ga
65Ge β+崩壊65Ga
66Ge2.26時EC崩壊66Ga
β+崩壊66Ga
67Ge β+崩壊67Ga
68Ge270.82日EC崩壊68Ga
69Ge1.63時EC崩壊69Ga
β+崩壊69Ga
70Ge20.84%安定核種(中性子数38)
71Ge11.43日EC崩壊71Ga
72Ge27.54%安定核種(中性子数40)
73Ge7.73%安定核種(中性子数41)
74Ge36.28%安定核種(中性子数42)
75Ge1.38時β崩壊75As
76Ge7.61%1.09×1021崩壊76Se
77Ge11.30時β崩壊77As
78Ge1.47時β崩壊78As
79Ge β崩壊79As
80Ge β崩壊80As
81Ge β崩壊81As
82Ge β崩壊82As
83Ge β崩壊83As
84Ge β崩壊84As
85Ge β崩壊85As
86Ge β崩壊86As
87Ge β崩壊87As
88Ge β崩壊88As
89Ge β崩壊89As
90Ge β崩壊90As
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 トランジスタダイオードの製造や合金の生成などに用いられるが、希少金属であり高価なため、あまり研究は進んでいないようである。

栄養
 人は食品から極微量のゲルマニウムを摂取しているが、ゲルマニウムが人にとって必須かどうか現時点では不明。
 健康食品などで高濃度の有機ゲルマニウムを含むことをうたう商品が見られるが、現在のところ、B型慢性肝炎の治療に使われる医薬品の有機ゲルマニウム(プロパゲルマニウム)以外、健康への効果・影響ははっきりしていない。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 1871(明治4)年にメンデレーエフがエカケイ素として元素の存在を予言した。
 1886(明治19)年にドイツの科学者ウィンクラーによって発見された。
 名前は、ドイツのラテン名「Germania」にちなんで命名された。

主な化合物

前後の元素
 
 31 ガリウム ‐ 32 ゲルマニウム ‐ 33 砒素

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