エタノール
読み:エタノール
外語:ethanol
アルコール
の一種。エチルアルコール。
目次
物質の情報
基本情報
誘導体、関連物質の例
物質の性質
製法
用途
分解
毒性
無水
物質の特徴
安全性
適用法令
危険性
有害性
環境影響
物質の情報
基本情報
組成式: C
2
H
5
OH
構造式: CH
3
CH
2
OH
分子量
: 46.06
比重
: 0.81 (
水
=1、20℃) (MSDS)
融点
: -114℃ (MSDS)
沸点
: 78℃ (MSDS)
CAS番号
: 64-17-5
ICSC番号: (登録なし)
外観: 無色の液体で、特徴的な臭気を有する
溶解性:
水
とよく混和する
クロロホルム
等多くの有機溶剤と混和する
誘導体、関連物質の例
無水エタノール
グルコース
アセトアルデヒド
酢酸
物質の性質
製法
グルコース
を
驢ア酵
させると、エタノールと
二酸化炭素
が発生する。
工業的には
エチレン
から合成する合成法と、酒と同様に糖類を発酵して作る発酵法とがある。
昔は脱水剤に
ベンゼン
が使われたが今は使用されておらず、合成法でn-ペンタンを脱水剤に使うメーカーと、発酵法で
シクロヘキサン
を脱水剤に使うメーカーとがある。
用途
いわゆる
酒
の主成分である。飲用すると中枢抑制作用によって、極めて強い精神作用が見られる。
一般的な酒は全量の数パーセント程度、
焼酎
やウォッカで数十パーセント程度だが、化学用としては70%(v/v)エタノールが消毒用として使われ、日本薬局方エタノールとして入手できる。
なお、参考までに、スピリタスは96%である。
分解
エタノールは消化管から容易に吸収され、
門脈
を経由して
肝臓
に運ばれて分解される。
肝臓内ではアルコール脱水素酵素(ADH)で
アセトアルデヒド
に分解される。
更に
ミトコンドリア
内にあるアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により分解されて
酢酸
になる。
この酢酸はやがて
水
と二酸化炭素に分解され、水は
腎臓
から、二酸化炭素は
肺
から、それぞれ排出される。
毒性
肝臓の処理に比べてミトコンドリアの処理は非常に遅いため、飲酒量がアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の能力を超えてしまうと分解が間に合わず、体内にアセトアルデヒドが蓄積し、頭痛、目眩い、吐き気などの、いわゆる二日酔いと呼ばれる症状が出てくる。
エタノールの代謝速度は
体重
1kgあたり1時間に0.1gである(つまり体重が60kgの場合は6g)。
これ以上のペースで飲むと血中アルコール濃度が急激に上昇し、急性アルコール中毒となる。最悪の場合、死亡する。
無水
エタノールを蒸留後、さらに芳香族化合物やマグネシウムなどを使って脱水し99.5%以上にしたものを
無水エタノール
という。
試薬や工業用エタノールとして基板洗浄などに使われている。
物質の特徴
安全性
適用法令
消防法(危険物の規制に関する政令)
危険物 第四類(引火性液体) アルコール類
消防法(危険物の規制に関する規則)
危険等級II
労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令
名称等を通知すべき危険物及び有害物(別表第九)
危険性
引火点: 14℃ (MSDS)
発火点: 363℃
爆発限界: 4.3〜19vol% (MSDS)
有害性
刺激
腐食性: (該当資料なし)
刺激性:
皮膚
、粘膜に対し刺激性がある (MSDS)
感作性
: (該当資料なし)
毒性
急性毒性
:
ラット経口
LD50
: 14mg/kg (MSDS)
慢性毒性
: (該当資料なし)
がん原性: (該当資料なし)
変異原性
: (該当資料なし)
生殖毒性: (該当資料なし)
催畸形性
: (該当資料なし)
神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
分解性: 分解性の良好な物質 (MSDS)
蓄積性: (該当資料なし)
魚毒性: 高濃度で水生成物に有害 (MSDS)
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