ベンゼン
読み:ベンゼン
外語:benzene
合成化学原料の一つ。ベンゾール(JIS K 2435-92)ともいう。
目次
物質の情報
製法
誘導体、関連物質の例
物質の特徴
安全性
適用法令
危険性
有害性
環境影響
物質の性質
用途
反応
安全性
ベンゼン環
物質の情報
組成式: C
6
H
6
分子量
: 78.11
比重
: 0.8765(水=1)
融点
: 5.5℃ (MSDS)
沸点
: 80.1℃(760mmHg) (MSDS)
CAS番号
: 71-43-2
ICSC番号: 0015
官報公示整理番号(化審法番号): 3-1
化学名: Cyclohexatriene
不飽和度
: 4
外観:
無色透明
の液体で、独特の芳香を持つ
溶解性:
水
には殆ど溶けない、脂溶性(非水溶性)
アルコール
に可溶
エーテル
に可溶
アセトン
に可溶
製法
石油
やコールタールを分留して得る。
誘導体、関連物質の例
ベンゼン環
を持つ
物質
は数知れず、ここではその一例を紹介する。
アニリン
(62-53-3)
アントラセン
(120-12-7)
エチルベンゼン
クロマン
(493-08-3)
シクロヘキサン
(110-82-7)
テトラセン
(92-24-0)
1,2,4-トリメチルベンゼン(C
9
H
12
)
トルエン
(108-88-3)
ナフタレン
(91-20-3)
ニトロベンゼン
パラジクロロベンゼン
(106-46-7)
パラチオン
ピリミジン
(289-95-2)
フェノール
(ヒドロキシベンゼン) (108-95-2)
ブロモベンゼン (C
6
H
5
Br) (108-86-1)
ベンゾジアゼピン
物質の特徴
揮発性
が強く引火しやすい。
安全性
適用法令
消防法(危険物の規制に関する政令)
危険物 第四類(引火性液体) 第一石油類
危険性
引火点: 竏11℃(密閉式) (ICSC、MSDS)
発火点: 498℃(ICSC)、562.2℃(MSDS)
爆発限界: 1.2〜8.0vol%(空気中) (ICSC)
有害性
刺激
腐食性: (該当資料なし)
刺激性: 眼、
皮膚
、気道を刺激する
感作性
: (該当資料なし)
毒性
急性毒性
:
ラットLD50(経口): 3,400mg/kg体重
ラット♂LD50(経口): 5,600mg/kg体重
マウスLD50(経口): 4,700mg/kg体重
慢性毒性
: (該当資料なし)
がん原性:
陽性
。骨髄性白血病との因果関係が立証されている
変異原性
: (該当資料なし)
生殖毒性: (該当資料なし)
催畸形性
: (該当資料なし)
神経毒性:
中枢神経
系に影響を与える
環境影響
分解性: (該当資料なし)
蓄積性: (該当資料なし)
魚毒性: 水生生物に対して毒性が非常に強い
物質の性質
用途
合成化学原料で、医薬・ 農薬・電材・工業用の合成原料となる。ベンゼンから、スチレンモノマー、
フェノール
、
ナイロン
などを作る。
ベンジン
とは違うので、誤ってシミ抜きに使用しないこと。
反応
安定で
付加反応
はおこりにくく、
置換反応
がおこりやすい。
但し、光を当てたり、高温にしたりすると付加反応を起こし、
水素
や
塩素
と反応して
シクロヘキサン
やベンゼンヘキサクロリド(殺虫剤)になる。
酸化バナジウム(V
2
O
5
)を触媒として高温にすると、
ベンゼン環
自身が空気酸化されて開環し、
無水マレイン酸
となる。
安全性
毒性があり、多量に吸引すると頭痛、めまい、痙攣などの中毒症状を起こす。
強力な
発がん性物質
(急性
白血病
などを誘発)でもあるため、実験室では嫌われている。
ベンゼン環
有機化学の代名詞的存在で、特徴的な亀の甲型の
分子
構造(
ベンゼン環
)を持つ。
それまでの化学では想像もつかなかったベンゼンの環状構造を解き明かしたのは、ドイツの有機化学者
ケクレ
である。
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