高度不飽和脂肪酸
読み:こうど-ふほうわしぼうさん
分子構造中に二重結合を2つ以上持つ脂肪酸のこと。なお、二重結合を一つも持たない脂肪酸は飽和脂肪酸、一つのみ持つものは一価不飽和脂肪酸と呼ばれる。
概要
炭素末端から数えて最初にある二重結合の位置によりn-3系とn-6系に分類される。
普通は炭素数12以上の高級脂肪酸についてのみ使われる。
特徴
紅花油やコーン油のような植物油のリノール酸やα-リノレン酸、また魚油中に多く含まれるEPAやDHAなどがある。
脂肪酸中にある二重結合ごとにトランス型とシス型があるが、天然に存在するものの殆どは、全ての二重結合がシス型となっている。
健康神話
様々な研究によると、高度不飽和脂肪酸が健康に良いというデータがある一方、そうではないというデータもある。WHOが専門家を集めて検討した結果、高度不飽和脂肪酸が健康に良いというに十分な証拠はないとの結論に達した。
主な物質の一覧
- 不飽和結合2ヶ所
- リノール酸 (C18:2(9,12))
- イコサジエン酸 (C20:2(8,11))
- ドコサジエン酸 (C22:2(13,16))
- 不飽和結合3ヶ所
- イコサトリエン酸 (C20:3(11,14,17))
- エレオステアリン酸 (C18:3(9,11,13))
- ジホモ-γ-リノレン酸 (20:3(8,11,14))
- ピノレン酸 (C18:3(5,9,12))
- ミード酸 (C20:3(5,8,11))
- リノレン酸 (C18:3)
- 不飽和結合4ヶ所
- ステアリドン酸 (C18:4(6,9,12,15))
- アラキドン酸 (C20:4(5,8,11,14))
- エイコサテトラエン酸(ETA) (20:4(8,11,14,17))
- アドレン酸 (C22:4(7,10,13,16))
- 不飽和結合5ヶ所
- ボセオペンタエン酸 (18:5(5,8,10,12,14))
- イコサペンタエン酸(IPA,EPA) (C20:5(5,8,11,14,17))
- オズボンド酸 (C22:5(4,7,10,13,16))
- テトラコサペンタエン酸 (C24:5(9,12,15,18,21))
- ドコサペンタエン酸(DPA、イワシ酸) (C22:5(7,10,13,16,19))
- 不飽和結合6ヶ所
- ドコサヘキサエン酸(DHA) (C22:6(4,7,10,13,16,19))
- ニシン酸 (C24:6(6,9,12,15,18,21))
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