リノール酸
読み:リノールさん
外語:linoleic acid
有機酸
(
カルボン酸
)の一つで、不飽和結合が2ヶ所(2価)の
不飽和脂肪酸
の一つ。
n-6系不飽和脂肪酸
である。
目次
情報
基本情報
誘導体、関連物質の例
特徴
安全性
法規制など
危険性
有害性
環境影響
食品
栄養面
代謝と生活習慣病
適正な摂取量
情報
基本情報
炭素数18、不飽和結合2ヶ所を有する。
組成式: C
18
H
32
O
2
構造式: CH
3
(CH
2
)
4
(CH=CHCH
2
)
2
(CH
2
)
6
COOH (二重結合は両方cis)
分子量
: 280.45
凝固点
: 竏12℃
沸点
: 229℃〜230℃ (16mmHg)
CAS番号
: 60-33-3
官報公示整理番号(化審法番号): 2-609
化学名: (9Z,12Z)-9,12-octadecanodienoic acid (IUPAC)
常温常圧では
無色透明
な粘性液体。
誘導体、関連物質の例
リノール酸メチル
リノール酸カルシウム
特徴
空気中で容易に酸化する。
安全性
法規制など
消防法(危険物の規制に関する政令)
危険物 第四類(引火性液体) 第三石油類
危険性
引火点: 110℃以上
発火点: (該当資料なし)
爆発限界: (該当資料なし)
有害性
刺激
腐食性: (該当資料なし)
刺激性: (該当資料なし)
感作性
: (該当資料なし)
毒性
急性毒性
: (該当資料なし)
慢性毒性
: (該当資料なし)
がん原性: (該当資料なし)
変異原性
: (該当資料なし)
生殖毒性: (該当資料なし)
催畸形性
: (該当資料なし)
神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
分解性: (該当資料なし)
蓄積性: (該当資料なし)
魚毒性: (該当資料なし)
食品
栄養面
ビタミン様作用物質
の一つで、必須脂肪酸である。かつてはビタミンFとも呼ばれていた。同様の効果を持つものに
α-リノレン酸
や
アラキドン酸
がある。
欠乏すると、湿疹、ニキビなどの皮膚病を発症するとされるが、欠乏症は実際には起こりにくいとも言われる。
摂取すれば、動脈にコレステロールが沈着するのを防ぐ、飽和脂肪を燃焼させるなどの働きがあるが、摂り過ぎると体内で
代謝
され、
発がん性物質
に変わったりし、また炎症を起こしたり、
心筋梗塞
などの生活習慣病になる危険性が高まる。また、摂取過多は肥満の原因ともなる。
代謝と生活習慣病
具体的にはリノール酸は
γ-リノレン酸
(GLA)を経てジホモ-γ-リノレン酸に変換される。ここから先は二系統の代謝経路がある。
一つはプロスタグランジン(PG1)に変換される経路、もう一部は
アラキドン酸
に変換される経路である。
アラキドン酸の代謝経路ではプロスタグランジン(PG2)やロイコトリエン4(LT4)、トロンボキサン(TX2)等の「エイコサノイド」に代謝される。これらエイコサノイドが過剰となると、生活習慣病を発症すると考えられている。
適正な摂取量
1日の摂取量は7g程度、1日の全摂取
エネルギー
の1%程度が目安である。
かつては動物性脂肪よりも健康に良いとされ摂取が勧められてきたが、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、現在では積極的な摂取は否定されている。
植物油(コーン油、
紅花油
、
向日葵油
(ひまわり油)、
大豆油
、
菜種油
、
胡麻油
等)、ピーナッツ、胡桃(くるみ)などに含有する。
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