鎖式炭化水素
読み:さしき-たんかすいそ

 炭素が鎖状に結合し、そのまわりに水素が結合したもの。
目次

概要
 大きく、飽和と不飽和に分けることができる。

特徴

不飽和
 不飽和は、二重結合三重結合を含むものをいう。
 炭素骨格中の二重結合や三重結合の数で分類され、IUPAC命名法では、数に応じて、数詞+ene(二重結合)または数詞+yne(三重結合)で呼ぶ。
 例えば二重結合なら、ジエン、トリエン、トラエン、ペンタエン、ヘキサエン、ヘプタエン、オクタエン、ノナエン、デカエン、…のように呼ぶ。

鎖状
 鎖状の飽和炭化水素アルカン(またはパラフィン)と言い、一般式はCnH2n+2である。
 鎖状の一価不飽和炭化水素アルケンと言い、一般式はCnH2n(n≧2)である。二価はジエン、三価はトリエン、四価はテトラエンなどという。
 鎖式炭化水素には極性がないため水に溶けない、いわゆる油っぽい性質を持つので、脂肪族炭化水素ともいう。

反応
 鎖式炭化水素から水素が1分子取れ、ここに官能基が付くと、次のように呼ばれる。
 IUPACでは、脂肪酸は元の炭化水素の語尾のeを取ってoic acidを、アルコールは語尾最後のeを取ってolを、アルデヒドは語尾最後のeを取ってalを、それぞれ付けて命名する。

炭素数
 炭素数の多いものを「高級」、炭素数の少ないものを「低級」という。
 炭素数の多い脂肪酸は「高級脂肪酸」、炭素数の少ない脂肪酸は「低級脂肪酸」と呼ばれており、また同様に、炭素数の多いアルコールは「高級アルコール」、炭素数の少ないアルコールは「低級アルコール」と呼ばれている。
 ただしこの「級」は、品質の善し悪しのことではない。目安としては、だいたいC6位までは低級、C16を超えると高級、その間が中級と呼ばれる。

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