先天性疾患
読み:せんてんせい-しっかん

 生まれながらにして、許容できる範囲を越えて生じる身体的な変異・異常をもつこと。
目次

概要
 疾患は、検診により出生前から分かるものもあり、またそうでなくても、出生時、あるいは生後1年程度までに明らかとなることが多い。
 身体の欠損などは特に畸形といい、それ以外にも染色体異常により引き起こされるダウン症などの先天性疾患がある。
 先天異常といっても、身体障害と精神障害が大きくある。身体障害に対しては、現在の社会はバリアフリーに努める傾向にある。

特徴

主な疾患
 以下は全てではない。

近年の状況
 近年は晩婚化と高齢出産が進んでいることもあり、子供の先天疾患が増えているとされる。
 次に、横浜市大国際先天異常モニタリングセンター(センター長=平原史樹・同大教授)調べの結果を示す。
 1990-992000-09
無脳症9831180
水頭症123173
胎児水腫5071341
NT(定型発達)5261077
ダウン症3681122
その他29196813
53811万1706

今と昔


 現在は人権を重視するため、重大な疾患を持った子供が生まれても、それをすぐに殺したりはせず、そのまま育てることが多い。
 しかし内臓などに疾患がある場合、そのままでは生きられないので外科的な手術が欠かせない。結果、体中メスの痕だらけとなり、右も左も分からないうちから子供は日々苦痛を味わわねばならず、そしてやがて、苦痛の中で短い生涯を閉じることになる。
 臓器移植などもありうる。現在は、日本でも杉本裕弥という金字塔があって臓器移植の技術は進み、かなりの命が救われるようになった。それでも、無理なものはある。
 体を切り刻んでまで生かすことが、果たして良いことなのかどうかについては様々な意見があり結論は見いだされていないが、そういった思想は差し置いたとしても、殆ど全部の臓器を交換しないと生きられないような場合、その短い寿命は運命として受け入れることも必要ではないかと思われる。


 日本がまだ貧しかった頃、赤ん坊は「産婆」と呼ばれる女性が取り上げていたが、産婆は「産婆としての仕事」をすることで、その当時としての価値観で、それなりのことをしていた。
 現在の価値観では残酷なことをするわけだが、貧しかった当時の価値観では、働けないものは「穀潰し」と言い、養うことはなかったのである。

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