産婆
読み:さんば
外語:midwife
日本において戦前、お産の手伝いをした女性のこと。現在でいうところの助産師に相当するが、その役目は全く違った。
概要
その昔は、赤ん坊は「産婆」と呼ばれる女性が取り上げていた。
産婆というのはどういう仕事かいうと、今の産婦人科の助産師のように、産道から出て来る赤ん坊を取り出して、その後の面倒を見るのが主たる仕事である。
しかし、産婆の仕事は、それだけではなかった。
彼女らの真の仕事は、当時の価値観における「出来損ない」をキュッとシメて死産扱いにすること、だったのである。
特徴
戦前
例えば、幾ら生まれてすぐ分かるダウン症とはいえ、産まれたばかりの我が子は親にとって天使以外の何ものでも無く、その子をいきなり〆られる親など、いはしない。
現在の価値観では残酷であるかもしれない。しかし貧しかった当時の価値観では、四肢欠損程度ならかたわとは呼ばれつつも養われて賢い子になることはあったが、知的障害児の場合はそのまま生かしておいても、畑を耕すわけでもなく、兵隊をするわけでもなく、読み書き算盤をするわけでもない「穀潰し」と言い、養うことはなかったのである。
現在
現在では、重度の知的障害があったとしても人間として扱われ、人権が存在する。従って、〆たら殺人罪になってしまう。
結果、昔なら死んでいたはずの人間が長生きすることになり、世の中の矛盾が増すことになった。
生まれてしまった我が子を殺すのは親としてはなかなか出来ないと考えると、出生前の検診がなかった当時としては、産婆というシステムは非常に良く出来ていたといえ、こういったものは当時としては社会の助け合いの一つであった。
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