アルツハイマー型認知症
読み:アルツハイマーがたにんちしょう
外語:Dementia in Alzheimer's disease

 認知症(痴呆症)の一つ。ドイツの精神医学者Alois Alzheimer(アロイス・アルツハイマー)が症例報告をしたためこの名がある。
 推定患者数は国内で50万人以上、世界で約1500万人といわれる。根本的な治療法は無い。
目次

病因
 脳内にある蛋白質ベータアミロイドが増加し、それが神経細胞に付着して徐々に神経細胞を死滅させ、やがて繊維状の構造物となって広がって行く。こうして死滅する神経細胞が多くなると、痴呆の症状が現われる、と考えられている。
 脳内では、もし異物があっても抗体ができない。そのため、出来たベータアミロイドは徐々に脳に蓄積してしまう。一度死滅した脳細胞は復活しないので、進行したアルツハイマーを回復させる術はない。しかし症状が重症化する前なら、ベータアミロイドの除去さえできれば進行を食い止めることが出来ると考えられる。

治療
 ワクチン療法、ベータアミロイドの生産を減らす薬物療法、脳内ベータアミロイドを分解する薬物療法などが考えられている。
 ワクチン療法の考え方は、脳では抗体を作れないが、脳以外の場所に原因物質ベータアミロイドを注射すると抗体を作ることができる、というものである。腕などから注射し、抗体がベータアミロイドに取りつけば、免疫細胞はそれを異物と認識して貪食する。抗体は脳内にも入れるので、脳内のベータアミロイドも免疫細胞が攻撃できるようになる。しかし脳炎を起こす副作用も指摘されている。
 そこで現在は、脳内のベータアミロイドを分解除去する薬品の開発が注目を浴びている。

再検索