菜種油
読み:なたねあぶら
外語:colza oil
セイヨウアブラナの種子を圧搾等して搾りとられる
植物油脂
のこと。なたね油、コルザオイル。
目次
概要
特徴
国際基準
化学的性質
用途
キャノーラ油
概要
世界での
食用油
生産量としては、
パーム油
、
大豆油
に次いで3番目となる年が多い。
日本国内での食用油の生産量としては菜種油が6割を占め、また非常に安価に流通している。
特徴
国際基準
以下のセイヨウアブラナ由来の食用油がCodex Standard for Named Vegetable Oils (CODEX STAN 210-1999)で規定されている。
菜種油(Rapeseed oil (turnip rape oil; colza oil; ravison oil; sarson oil; toria oil)): Brassica napus L., Brassica rapa L., Brassica juncea L., Brassica tournefortii Gouan speciesの種から得られる油
菜種油-低エルカ酸(Rapeseed oil - low erucic acid (low erucic acid turnip rape oil; low erucic acid colza oil; canola oil)): 低エルカ酸の油を持つ種類のBrassica napus L., Brassica rapa L. ,Brassica juncea L., speciesの種から得られる油
化学的性質
占める主な脂肪酸は、エルカ酸(C22:1、2.0%以下-60.0%)、
オレイン酸
(C18:1、8.0-60.0%)、
リノール酸
(C18:2、11.0-23.0%)、
リノレン酸
(C18:3、5.0-13.0%)であるが、この他に、
アラキジン酸
(C20:0、ND-3.0%)、
ベヘン酸
(C22:0、ND-2.0%)、
リグノセリン酸
(C24:0、ND-2.0%)などを含む。また、近年はエルカ酸を含まない製品が多い。
低エルカ酸の場合は、占める主な脂肪酸は、
オレイン酸
(C18:1、51.0-70.0%)、
リノール酸
(C18:2、15.0-30.0%)、
リノレン酸
(C18:3、5.0-14.0%). エルカ酸(C22:1、ND-2.0%)、
アラキジン酸
(C20:0、0.2-1.2%)、
ベヘン酸
(C22:0、ND-0.6%)、
リグノセリン酸
(C24:0、ND-0.3%)は少ない。
その他、
ビタミンE
、
ビタミンK
などを含む。
用途
日本でも安土桃山時代から使われていたとされる、歴史の長い食用油である。日本では
サラダ油
と呼ばれる
食用油
の代表で、最も人気が高く消費量が多い。
風味に癖がなく、あっさりしていることから素材の風味を消さずに済み、汎用性が高い。
ドレッシングとして生食するほかに、天ぷら油、炒め油などの調理用油として広く使われる。
キャノーラ油
菜種油の一種に「
キャノーラ油
」というものがあるが、これは有害と考えられたエルカ酸などを含まないキャノーラ品種から作られた菜種油をいう。つまり菜種油とキャノーラ油は同義ではない。
キャノーラ品種はカナダで開発された品種で、欧米で「キャノーラ油」と言った場合はこのキャノーラ品種から作られた菜種油をいう。
日本ではそうではなく、キャノーラ品種ではない国産のナタネが使われている。ただ、同様にエルカ酸を含まない品種であるため、品質面ではキャノーラ油と大差はない。
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