ニホニウム
読み:ニホニウム
外語:Nh: Nihonium
13族
に属する
典型金属元素
(推定)の
超重元素
。日本が発見した。仮名ウンウントリウム(Uut)。
目次
情報
基本情報
一般情報
原子情報
物理特性
同位体
性質
特徴
安全性
適用法令
危険性
有害性
環境影響
発見
米ロ
日本
命名権
主な化合物
前後の元素
情報
基本情報
一般情報
元素記号
: Nh
原子番号
: 113
周期
: 7
族
:
13族
(IIIB族、IIIA族)、アルミニウム族
分類:
典型金属元素
原子情報
原子量
: [284]
電子配置:
1s
2
、2s
2
、2p
6
、3s
2
、3p
6
、3d
10
、4s
2
、4p
6
、4d
10
、4f
14
、5s
2
、5p
6
、5d
10
、5f
14
、6s
2
、6p
6
、6d
10
、7s
2
、7p
1
[
Rn
]5f
14
、6d
10
、7s
2
、7p
1
電子殻
: 2、8、18、32、32、18、3
原子価: (該当資料なし)
酸化数: (該当資料なし)
物理特性
相
: (該当資料なし)
融点
: (該当資料なし)
沸点
: (該当資料なし)
密度
: (該当資料なし)
比重
: (該当資料なし)
CAS番号
: 54084-70-7
ICSC番号: (登録なし)
水への溶解性: 溶けない
同位体
同位体
天然存在比
半減期
崩壊
崩壊後生成物
278
Nh
‐
0.24秒
α崩壊
274
Rg
284
Nh
‐
0.48秒
α崩壊
280
Rg
285
Nh
‐
2分
α崩壊
281
Rg
自発核分裂(SF)
286
Nh
‐
5分
α崩壊
282
Rg
自発核分裂(SF)
287
Nh
‐
20分
α崩壊
283
Rg
自発核分裂(SF)
性質
化学的性質はまだ明らかになっていないが、7s軌道が閉殻している
閉殻構造
であることから、第6周期の
タリウム
よりも更に1価の
陽イオン
を形成しやすいと見込まれる。
特徴
安全性
適用法令
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
放射性同位元素
試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示
危険性
引火点: (該当資料なし)
発火点: (該当資料なし)
爆発限界: (該当資料なし)
有害性
刺激
腐食性: (該当資料なし)
刺激性: (該当資料なし)
感作性
: (該当資料なし)
毒性
急性毒性
: (該当資料なし)
慢性毒性
: (該当資料なし)
がん原性: (該当資料なし)
変異原性
: (該当資料なし)
生殖毒性: (該当資料なし)
催畸形性
: (該当資料なし)
神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
分解性: (該当資料なし)
蓄積性: (該当資料なし)
魚毒性: (該当資料なし)
発見
米ロ
まず、米国立ローレンス・リバモア研究所とロシアのドブナ原子核共同研究所(JINR)の共同チームが、モスクワ郊外にある粒子加速装置で
243
Amに
48
Caイオンを衝突させるという方法で作りだし
モスコビウム
(Mc)と共に発見されたと発表された。
製法は
243
Am+
48
Ca→
287
Mc+4nまたは
288
Mc+3nで、Mcが
α崩壊
しNhが生じた。
存在時間はMcが90ms、Nhが約1.2秒(1cBeat)で、Nhもまたα崩壊しRgとなる。この研究結果は2004(平成16)年2月1日付の米国物理学会発行の雑誌 "Physical Review C" に掲載された。但しデータが不十分で、命名権は与えられていなかった。
日本
今度は日本の埼玉県和光市にある理化学研究所の森田浩介先任研究員らの実験チームにより、線形加速器RILACで
209
Biに
70
Znイオンを衝突させるという方法で2004(平成16)年7月23日18:55(@454)に作り出され、9月28日に発見が発表された。
製法は
209
Bi+
70
Zn→
278
Nh+nである。
秒間2.5兆個の亜鉛を80日間連続で計1700京回
ビスマス
に衝突させ、たった一つだけ合成された
278
Nhは、次のように変化した。
278
Nhは、僅か344μ秒でα崩壊し
274
Rgとなる
274
Rgは9.26ミリ秒でα崩壊し
270
Mtになる
270
Mtは7.16ミリ秒でα崩壊し
266
Bhになる
266
Bhは2.47秒(3cBeat)でα崩壊し
262
Dbになる
262
Dbは40.9秒(47cBeat)で自発核分裂を起こし崩壊連鎖は終了した
4回目にα崩壊したさいのα粒子のエネルギーが、既知の
266
Bh(原子番号=陽子数=107)のα粒子のエネルギーとほぼ同じであった。α粒子(陽子数=2)を3つ放出して
266
Bhになったという観測結果から、107+2+2+2=113となり、この崩壊連鎖は
278
Nhからのものであると結論付けられた。
また同方法による実験で、2005(平成17)年4月2日未明にも再びNh 1個を確認した。1個目と同様、4回のα崩壊ののち核分裂をした。
そして更に2012(平成24)年8月12日に3個目のNh合成に成功し、2012(平成24)年9月26日に理研は元素の合成に3回成功し新元素の発見が確定したと発表した。3個目は次のように変化した。
278
Nhは、α崩壊し
274
Rgとなる
274
Rgは、α崩壊し
270
Mtになる
270
Mtは、α崩壊し
266
Bhになる
266
Bhは、α崩壊し
262
Dbになる
262
Dbは、α崩壊し
258
Lrになる
258
Lrは、α崩壊し
254
Mdになる
命名権
米ロ欧の共同チームと日本とで命名権を争うこととなり行方が注目されたが、2015(平成27)年12月31日、国際純正・応用化学連合(IUPAC)は日本の発見した新元素と認定し、理化学研究所に通知された。
様々な名前候補の中から、森田浩介により「ニホニウム」は選ばれた。100年前に果たせなかった
ニッポニウム
は、一度除外された名称の復活は混乱を来すとして認められなかった。しかし日本はニッポンのほかにニホンとも読むので、代わりに「ニホニウム」が提案されたということになる。
理研は、2016(平成28)年4月1日までに元素名と元素記号を提案し、IUPACは2016(平成28)年6月9日00:00(
8日
@666)に他の3種類の新元素と共に名称案を公表した。その後審査を実施し、2016(平成28)年11月30日、名称が正式に決定された。
主な化合物
(未確認)
前後の元素
112
コペルニシウム
‐ 113
ニホニウム
‐ 114
フレロビウム
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