ニッポニウム
読み:ニッポニウム
外語:Nipponium
かつて、小川正孝教授(後の東北大学総長)が発見し、43番元素にあたる新しい金属元素として1908(明治41)年に発表したもの。
概要
この元素は、日本人が発見した初めての元素となるはずだった。
しかし、実は43番元素は天然には存在しなかったのである。
そのためニッポニウムは周期表から抹消され、そしてサイクロトロンで人工的に作られたテクネチウムに取って代わられた。
特徴
レニウム
天然に存在しないニッポニウムは、勘違い、あるいは捏造だったのかというと、実はそうでもないらしいことが後の研究で分かってきた。
この元素は、テクネチウムと同族で周期の違う、現在のレニウムではないかと考えられている。
レニウムは1925(大正14)年に発見されているので、仮にレニウムだったとしても、やはり小川正孝の発見は世界に先んじていたのだといえる。
このため、科学史においては、レニウムの発見者名として小川の名前が併記されることもある。
国名にちなむ元素名
現在、国名にちなんだ元素名にはアメリシウム、フランシウム、ゲルマニウム、ポロニウムなど数多くある。地名に至っては更に多くがある。
ここから日本の名が消えてしまったことは残念と考えられているが、日本の科学者により超重元素によって、新たな「ニッポニウム」を複数実現させるべく研究が行なわれた。
仮に新元素が発見されたとしても、一度除外されたニッポニウムの名称の復活は混乱を来すとして使用できないルールとなっているため、名称は変更する必要がある。
研究の成果あり、2004(平成16)年9月28日に理化学研究所(理研)が発見した113番元素に「ニホニウム」の名が与えられた。
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