極超新星
読み:ごくちょうしんせい
外語:hypernova

 γ線バーストの正体として提唱されたもので、通常の超新星よりも10倍以上大きな爆発エネルギーを持つもの。
目次

概要
 太陽質量の20倍程度の非常に重い恒星が進化すると、最終的に重力崩壊によって恒星の中心にブラックホールが作られる。
 ブラックホールは強力な重力により周囲の物質を吸い込むが、吸い込みきれなかった一部の物質は激しいジェットとなって放出され、これを切っ掛けとして星が吹き飛ばされる。これが極超新星である。

特徴

名称
 極は「ごく」とも「きょく」とも読まれるが、学術用語集では、極(きょく)は極地(polar)などを意味する語となっているため、意識的に「ごく」と読まれることも多い。
 superもhyperも超と訳されることが多いので、超超新星と訳す向きもある。

爆発
 爆発の際にはニッケル56(56Ni)などの放射性同位体が大量に生成される。
 これが爆発後のエネルギー源となって周囲の物質の膨張を早めるために、膨張速度が極めて大きくなる。

観測
 観測上、最大の特徴はスペクトルに水素やヘリウムが見られないことで、これは通常の超新星(Ia/Ib/Ic)とは大きく性質が異なっている。
 名称は、超新星と同様に「SN 年 番号」形式であり、発見しても特別な固有名詞が与えられることはない。

該当する天体
 重い星は数が少ないため、極超新星は非常に稀である。
 これを著している時点で知られている極超新星は、次の7つだけである。
  1. SN 1997ef
  2. SN 1998bw
  3. SN 1998ey
  4. SN 2002ap
  5. SN 2002bl
  6. SN 2003dh
  7. SN 2003jd
 他にSN 2001bbも極超新星が疑われている程度で、数えられるほどしか見つかっていない。

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