クォーク星
読み:クォークせい
外語:quark star
高密度星の一種。中性子星を構成する中性子が潰れ、クォークになってしまったと考えられている天体。中性子星とブラックホールの中間段階と考えられている。
由来
質量が太陽質量の8倍以下であれば、終焉は白色矮星である。8倍を超えると超新星爆発を起こし中性子星となる。
中性子星にも質量の限界があり、太陽質量の3.0倍(トルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界)とされる。超新星爆発で作られた核の質量がこの上限に収まれば中性子星になれるが、それ以上の場合はブラックホールになる。
但し、作られた核の質量が中性子星の上限を超え、なおかつブラックホールにならない程度のものであった場合、このようにクォーク星になると考えられている。
特徴
性質
この天体は、クォークが塊となり、クォークが裸で露出している天体であると考えられている。
しかし、通常の温度や密度環境では、クォークはハドロンと呼ばれる素粒子を構成しており(これをカラーフレーバー結合(CFL)状態という)、単独で取り出すことは不可能である。一般的な説明では、クォーク星は通常を超えた高密度のためCFLが解けているとされる。
発見
最初に発見されたのは、みなみのかんむり座のRX J1856.5-3754で、NASAのX線天文衛星チャンドラとNASAのハッブル宇宙望遠鏡で観測された。天体の表面温度が70万℃、直径が僅か7マイル(11.2km)であるとされ、中性子星よりも高密度であるとみられる。
また、カシオペア座の中性子星3C 58(超新星爆発は日本の「明月記」の記録により1181(養和元)年だったとされている)も、表面温度が100万度よりも低温であり、少なくとも一部はクォーク星化していると考えられている。
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