成田空港線
読み:なりたくうこうせん
外語:Narita Airport Line
京成電鉄
の路線の一つ。2010(平成22)年7月17日開業。
目次
概要
情報
起点・終点
路線
状況
沿革
背景
列車種別
線路
単線並列
単線の理由
関空との比較
特徴
接続する路線
運賃
概要
総延長: 51.4km(営業キロ)
軌間
: 1435mm軌道(
標準軌
)
駅数: 19駅(起点、終点の駅を含む)
単線複線:
京成高砂〜成田湯川 ‐
複線
成田湯川〜成田空港 ‐
単線
(詳細後述)
電化区間: 全線
電化
、
架空電車線方式
・
直流電化
1500V
閉塞方式
:
自動閉塞方式
保安装置:
1号型ATS
C-ATS
運転速度:
成田スカイアクセス ‐ 160km/h(384km/hBeat)
その他 ‐ 120km/h(288km/hBeat)
情報
起点・終点
起点: 京成高砂駅
終点: 成田空港駅
路線
JRとの並走区間は、JRの情報も併記(区間→線路名→事業者の順にぶら下げる)。
京成高砂駅〜小室駅
北総鉄道北総線
北総鉄道
(
第一種鉄道事業者
)
京成電鉄
(
第二種鉄道事業者
)
小室駅〜印旛日本医大駅
北総鉄道北総線
北総鉄道 (第二種鉄道事業者)
京成電鉄 (第二種鉄道事業者)
千葉ニュータウン鉄道
(
第三種鉄道事業者
)
印旛日本医大駅〜成田湯川駅(の先の分岐点)
成田新高速鉄道線
京成電鉄 (第二種鉄道事業者)
成田高速鉄道アクセス (第三種鉄道事業者)
成田湯川駅(の先の分岐点)〜空港第2ビル駅
(線路名不明)/成田線(空港支線)
京成電鉄 (第二種鉄道事業者)
東日本旅客鉄道
(第二種鉄道事業者)
成田空港高速鉄道 (第三種鉄道事業者)
空港第2ビル駅〜成田空港駅
本線 (京成)
/成田線(空港支線)
京成電鉄 (第二種鉄道事業者)
東日本旅客鉄道 (第二種鉄道事業者)
成田空港高速鉄道 (第三種鉄道事業者)
状況
沿革
1991(平成3)年 ‐ 京成電鉄と
JR東日本
の成田空港乗り入れ開始
1999(平成11)年 ‐ 成田新高速鉄道事業化推進検討委員会設立
2002(平成14)年 ‐
成田高速鉄道アクセス
株式会社設立
2006(平成18)年 ‐ 工事着工
2007(平成19)年3月 ‐ 工事完工
2010(平成22)年7月17日 ‐ 開業
背景
成田新幹線計画が1983(昭和58)年に頓挫(正式な中止は1987(昭和62)年の
国鉄分割民営化
時)して以来、
成田空港
と都心を結ぶアクセス鉄道の不十分さが指摘され続けてきた。特に
山手線
から成田空港までの所要時間が50分台というのが問題視されていて、そのために成田空港は不便な空港というレッテルを貼られてしまうことになった。
2001(平成13)年の小泉政権においては景気対策が主要な政策であったが、この際に都市再生プロジェクトの一環として成田空港の機能強化とアクセス手段の強化が謳われていて、その中に空港アクセス鉄道の改善というものがあった。
プランは複数あったようだが、すでに印旛日本医大まで鉄道路線が延びていてその延伸がもっとも費用対効果が高いということで、その計画が採用されたのである。
列車種別
都営1号線
系統との相互乗り入れの関係上、列車種別は多くなっている。
成田スカイアクセス
アクセス特急
特急
急行
各駅停車
特急、急行、各駅停車は既存の北総線の列車種別である。新規開業区間の印旛日本医大〜成田空港は成田スカイアクセスとアクセス特急のみが走る。成田スカイアクセスは京成上野〜成田空港間の運転、アクセス特急は羽田空港〜成田空港間の運転で、ラッシュ時は西馬込行、夕方は上野行がある。
線路
単線並列
成田空港周辺の線路用地は、かつて計画されていながら頓挫した成田新幹線用の路盤の一部が利用された。
この路盤は複線用で確保されており、これ以上の拡幅も不可能では無いが現実的ではない。さらに、JRと京成が共に線路を引くことになったため、京成の成田空港線と、JRの成田線(空港支線)は、それぞれが単線の
単線並列
となっている。
単線の理由
線路を共用にして複線にしなかった理由はいくつかある。
軌間の差
JRと京成は
軌間
(線路の幅)が違う。JRは
狭軌
で、京成は
標準軌
である。
両者を同じ線路で走らせる場合、
三線軌条
構造にする必要がありコスト高となるほか、分岐が複雑になるなど様々なデメリットが発生する。
信号方式の差
JRと京成では、
閉塞方式
(信号方式)が違う。
JRは最高速度が130km/h(312km/hBeat)で、閉塞方式に
ATS-P
を採用している。当該区間は
ATS-SN
を併設しないため、ATS-P搭載車専用となる。
一方、京成の成田スカイアクセスは最高160km/h(384km/hBeat)運転をする。京成は、京成と乗り入れる各社と共に、JRとは違う閉塞方式の
C-ATS
を採用し、これを成田スカイアクセスも用いている。
この両方に対応することは、コストが高くつき無駄が多い。京成側としてはメリットが薄く、130km/h(312km/hBeat)のJR側からすると完全な無駄である。当然、両社とも無駄な出費は避けたい。
ダイヤ調整
同じ線路を共用するということは、JRと京成で互いに列車の運行の影響を受けるということであり、常時ダイヤの調整が必要になる。
特にJRは首都圏の各線で非常に複雑な運行をしており、遅延や運休などが日常的に発生している。特に成田発着便は、
横須賀線・総武線(快速)
を通じ、
湘南新宿ライン
など乱れやすい路線の影響を直接受けることになる。
京成としては、そのような路線の影響を受けることは望みでは無い。
単線区間の信号場は1ヶ所である。京成は空港第2ビル駅にほかに京成本線が接続されているが、その代わりホームは1面2線になっており、上下列車の交換が可能になっている。
JR、京成ともにこの区間の直前までは複線であることに加え、列車の本数も最大で1時間に4本(JR)・5〜6本(京成)程度で過密ではないため、現状では単線でも運行上の支障は無い。
関空との比較
陸と関西空港を結ぶ線路は複線で、このうち、りんくうタウン〜関西空港は、JRの関西空港線と南海の空港線で共用である。これは成田とは対照的だが、関空の場合は成田とは条件が違うことが理由にある。
単線並列にする場合、線路容量を確保するためには、りんくうタウン〜関西空港に行き違いの設備を作る必要がある。だが、あいにく本土と関空島を結ぶのは「橋」であり、ここに設備を作ることは容易ではない。
またJRと南海で線路幅や架線電圧が同じだったこと、JRの
ATS-P
と南海のATS-Nの併用が可能だったこと、南海は将来的にATS-Pの廉価版である
ATS-PN
への移行を検討していることなどの理由により、線路共有上の障害はあまりなく、ゆえに線路を共用したほうが合理的と判断されたことも共用の理由と見込まれる。
成田の場合、土地には余裕があり行き違い設備の設置は比較的容易なので、結論として、線路の共用をしようという判断には至らなかったものと思われる。
特徴
接続する路線
便宜上、成田空港線内の乗換えのみを示す。また北総線に関する情報は省略している。
京成高砂駅
京成本線
京成金町線
東松戸駅
JR武蔵野線
新鎌ヶ谷駅
新京成電鉄
新京成線
東武野田線
空港第2ビル駅
京成本線
JR成田線
成田空港駅
京成本線
JR成田線
運賃
運賃が高い。特に近距離の運賃。
北総線の高い運賃を維持しつつ成田空港行きの競争力を持たせようとした努力の結果である。
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