ビタミンE
読み:ビタミンイー
外語:Vitamin E
ビタミン
の一つで、
脂溶性ビタミン
。トコフェロール/トコトリエノール。
ビタミンEは8種類あり、トコフェロール(tocopherol)とトコトリエノール(tocotrienol)に、それぞれα/β/γ/δの4種類の同族体がある。そしてまた、それぞれに
光学異性体
が存在する。
目次
物質の情報
総論
α-トコフェロール
β-トコフェロール
γ-トコフェロール
δ-トコフェロール
物質の特徴
安全性
危険性
有害性
物質の性質
機能・欠乏症
毒性、過剰症
発見
抗酸化作用
含有する食品
物質の情報
総論
環部分の5、7、8に接合するものがHか
メチル基
(CH
3
)かで名称を決める。
それぞれR1、R2、R3とすると、次のようになる。
R1
R2
R3
名称
H
H
H
トコール(tocol) (基本型)
CH
3
CH
3
CH
3
α
CH
3
H
CH
3
β
H
CH
3
CH
3
γ
H
H
CH
3
δ
つまり基本型トコールに対し、8番炭素(R3)がメチル基(CH
3
)に置換したものをトコフェロール(tocopherol)と言い、5番と7番で計4種類の組み合わせがある。
トコトリエノールは
不飽和
であるもので、途中に二重結合が三つ存在するものである。
トコトリエノール(tocotrienol)はα/β/γ/δについて全てCAS番号不明。
なお、「天然ビタミンE」としてのCAS番号は1406-18-4である。
α-トコフェロール
組成式: C
29
H
50
O
2
分子量
: 430.71
沸点
: 200℃〜220℃(0.097513mmHg)
CAS番号
: 59-02-9、10191-41-0(DL体)
β-トコフェロール
組成式: C
28
H
48
O
2
分子量: 416.68
CAS番号
: 148-03-8(DL体)
γ-トコフェロール
組成式: C
28
H
48
O
2
分子量: 416.68
CAS番号
: 54-28-4(D体)、7616-22-0(DL体)
δ-トコフェロール
組成式: C
27
H
46
O
2
分子量: 402.65
CAS番号
: 119-13-1(DL体)
物質の特徴
安全性
危険性
可燃性である。
引火点: (該当資料なし)
発火点: (該当資料なし)
爆発限界: (該当資料なし)
有害性
刺激
腐食性: (該当資料なし)
刺激性: (該当資料なし)
感作性
: (該当資料なし)
毒性
急性毒性
: (該当資料なし)
慢性毒性
: (該当資料なし)
がん原性: (該当資料なし)
変異原性
: (該当資料なし)
生殖毒性: (該当資料なし)
催畸形性
: (該当資料なし)
神経毒性: (該当資料なし)
物質の性質
機能・欠乏症
動物の体
細胞
は燐脂質と
蛋白質
から構成されるが、燐脂質の脂肪酸が酸化され過酸化脂質となるのを防ぐために細胞膜内にビタミンEが含まれていて、細胞の身代わりに酸化されることで細胞を守っている。
欠乏すると、過酸化脂質が増え、動脈硬化や癌、老人性シミなどを発症する。
毒性、過剰症
脂溶性なので、
肝臓
、
心臓
、
血液
、
筋肉
などに貯えられる。
厚生労働省の「
日本人
の食事摂取基準」では、許容上限摂取量は成人男子で600mgα-TE (α-TE=α-トコフェロール当量)。
ただ経口摂取の場合、α-トコフェロールの吸収経路は特殊であり、腸管にあるα-TTP(α-Tocopherol Transfer Protein)によって吸収されるため、必要以上の吸収は行なわれない。
ちなみに、マウスの腹腔内投与などでの摂取過多は、不足と似た症状を示すようである。
トコフェロールは、少量では抗酸化剤であるが、多量になると今度は酸化を促進する作用があることが分かっている。またα-トコフェロール以外は、実はあまり吸収されないらしい。
発見
もともとは1922(大正11)年にラットの妊娠に必要な因子として発見され、1924(大正13)年にビタミンEと名付けられた。
トコフェロールの名の語源はギリシャ語で、Tocosは「子供を産む」、Pheroは「力を与える」という意味がある。
抗酸化作用
抗酸化作用があるので、酸化防止のため、主に油脂用の
食品添加物
(
酸化防止剤
)として利用されている。
含有する食品
アーモンド
、
鰻
、
タラコ
、落花生、かぼちゃ等の緑黄色野菜などに含有する。
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