旨味成分
読み:うまみ-せいぶん

 旨味のある成分。旨い、美味しい、と感じる成分のこと。
目次

概要
 大きく、アミノ酸系と核酸系に分けられる。
 アミノ酸核酸生物が生きるのに必要な物質であるため、動物はこれを餌として摂取する必要がある。そこで、これを旨味として感じるように生物は進化した。
 それぞれ、抽出されてアミノ酸系調味料、核酸系調味料として市販されている。
 摂取されたこれら成分は分解され消化吸収された後、それを原料に再び組み立てられる。

特徴

アミノ酸系
 アミノ酸系の旨味成分は、昆布などに含まれるグルタミン酸アスパラギン酸などが主である。
 「昆布だし」の旨味の元が、このアミノ酸である。
 味の素に代表されるうま味調味料(化学調味料)は、昆布だしの旨味成分と同じものを結晶化したものである。

核酸系
 核酸系の旨味成分は、鰹節や豚骨に含まれる5'-イノシン酸(5'-IMP)や椎茸に含まれる5'-グアニル酸(5'-GMP)、他に5'-キサンチル酸(5'-XMP)などがある。
 核酸系の旨味成分は、生物のエネルギー源であるATP(アデノシン三燐酸)が、生物の死後、酵素により分解されてできる。従って、肉やなどはある程度熟成してからの方が、旨味成分の量が多くなり美味しくなる。
 

その他
 ベニテングタケなどにはイボテン酸という酸が含まれる。
 これは殺蝿効果があり蝿取りにも使われる有毒物質であるが、イノシン酸と分子構造が似ているため旨味があり、ヒトの味覚ではグルタミン酸の10倍もの旨味があるとする説がある。

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