ベニテングタケ
読み:ベニテングタケ
外語:fly agaric
紅天狗茸。ハラタケ目テングタケ科テングタケ属の茸で、毒茸の代表。柄は白色。英名はfly agaric(蝿取りキノコ)である。
情報
分類
- ドメイン: 真核生物 Eukaryota
- 界: 菌界 Fungus
- 門: 担子菌門 Basidiomycota
- 亜門: 菌蕈亜門 Hymenomycotina
- 綱: 菌蕈綱 Hymenomycete
- 目: ハラタケ目 Agaricales
- 科: テングタケ科 Amanitaceae
- 属: テングタケ属 Amanita
- 種: ベニテングタケ muscaria
生態
白い柄に、赤地に白い斑点という非常に派手な傘を持つ特徴的な毒茸である。
この、いかにも毒茸という風体は人気があり、古くから絵本やアニメーションといったものにも描かれており、毒茸の定番となっている。
含まれる毒は人間にもかなり効くが蝿取りにもよく使われており、洋の東西を問わず昔から蝿取りに使われてきた。
特徴
知名度
有名な毒茸で、キノコを詳しく知らない人にも名前だけはよく知られている。
国産としては最高の幻覚キノコと言われている。もちろん合法。
作用
幻覚作用のあるムシモールやイボテン酸が含まれている。次のような様々な毒性を示す。
- 胃腸系 腹痛、嘔吐、下痢
- 感覚神経系 頻脈、散瞳、脈拍数(心拍数)増加、腸閉塞
- 副交感神経系 流涎、発汗、縮瞳
- 中枢神経系 目眩、錯乱、運動失調、幻覚、興奮、抑鬱、痙攣
症状が酷い場合は昏睡、呼吸困難を起こすこともあるが、習慣性・毒性ともに弱く、食べて死ぬことは殆どないと言われてはいる。
旨味
毒茸として蝿殺しの成分となるイボテン酸は、ヒトの味覚ではグルタミン酸の10倍もの旨味成分であり、このためこの毒茸は味が良い。しかし毒なので、そのまま食べれば食後30分程度で中毒を発症してしまう。
そこで、塩漬けにし水に数時間さらして毒抜きをして食べる地方もあるが、素人が真似をすると中毒を起こし、吐き気や下痢などになるので注意が必要である。
なお、「食べても死なないなら食べられると言うこと」という豪解釈も確認されてはいる。しかし、ちょっと待ってもらいたい。このような論に疑問を抱くのは私達だけだろうか。今こそ冷静な議論が求められる。(C)ASAPY
少量だが猛毒のアマトキシン類を含むことがあるため、旨味があると言っても危険なので食べるべきではない。
また似た外観で毒性の強いキノコもあるので、採取には注意が必要である。
同じテングタケ属に無毒食用のタマゴダケがあり、それと時々間違われることがある。
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