弗素
読み:ふっそ
外語:F: Fluorum

 17族ハロゲン族に属する淡黄色の非金属元素。常温では気体。
 「弗」の字が常用漢字から漏れたため、現在は「フッ素」とも書く。化合物の日本語名は日本化学会の化合物命名法委員会によるものが正式だが、そこでは前述の理由により「フッ素」となっている。
目次

情報

基本情報

一般情報

原子情報

物理特性

同位体
 質量数は、14から31までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
14F 陽子放射13O
15F 陽子放射14O
16F 陽子放射15O
17F1.075分β+崩壊17O
18F1.830時β+崩壊18O
EC崩壊18O
18mF   
19F100.00%安定核種(中性子数10)
20F11.163秒β崩壊20Ne
21F β崩壊21Ne
22F β崩壊22Ne
23F β崩壊23Ne
24F β崩壊24Ne
25F β崩壊25Ne
26F β崩壊26Ne
27F β崩壊27Ne
28F 中性子放射27F
29F β崩壊29Ne
30F 中性子放射29F
31F β崩壊31Ne
 安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

性質
 極めて反応性に富み、強い臭いを持ち、そして猛毒。強力な酸化剤であり、様々な物質と激しく反応する。
 水道水に含まれる程度の濃度(0.7〜1.2ppm)では無害だが、水素と結合して弗化水素(弗化水素酸)になってしまうと非常に有害であり危険である。

安全性

危険性

有害性

環境影響

発見
 何人もの科学者が単離に挑み、そして散っていく中、1886(明治19)年にフランスの科学者アンリ・モアッサン(Ferdinand-Fr〓d〓ric-Henri Moissan)が単離に成功した。しかし彼も片目の視力を失ってしまった。
 英名fluorineの語源は鉱石の名fluorite(ホタル石)から。flouoritはラテン語のfluere(流れる)に由来しており、ホタル石を精錬すると簡単に溶けて流れてしまうことから命名された。

主な用途
 弗素樹脂、弗素ゴム、フロンガス、各種医薬品などに使われる。

主な化合物

前後の元素
 
 8 酸素 ‐ 9 弗素 ‐ 10 ネオン

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