大マゼラン雲
読み:だいマゼランうん
外語:LMC: Large Magellanic Cloud
かじき座から
テーブルさん座
にかけて見られる
棒渦巻銀河
だった銀河で、
銀河系
の伴銀河である。
目次
概要
基本情報
物理的情報
観測情報
主なカタログ番号
特徴
銀河内の天体
発見
規模
銀河系近傍
大小マゼラン雲
補足
イスカンダル
概要
基本情報
座標(2000年分点)
赤経
: 05h 23m 34.6s (ICRS)(SIMBAD) [可視光]
赤緯
: -69°45′22″ (ICRS)(SIMBAD) [可視光]
銀経
: 280.5°
銀緯
: -32.9°
所属
星座
: かじき座、
テーブルさん座
階層:
局部超銀河団
→
局部銀河群
→大マゼラン雲
距離:
16荳光年 (通説)
赤方偏移
: z=0.000875±0.000011 (SIMBAD)
光が届くまでの時間: 約0.12億年 (z=0.000875から計算)
実際の距離: 約0.12億光年 (z=0.000875から計算)
物理的情報
分類: SB(s)m
伴星雲: (該当資料なし)
規模
質量
: 約1×10
10
M
SUN
直径: 14000光年
光度
: (該当資料なし)
年齢: (該当資料なし)
観測情報
絶対等級
(M
V
): (該当資料なし)
実視等級
(V): 0.9等
視線速度(RV)=後退速度
262.2km/s(226.5km/cBeat)±3.4km/s(2.9km/cBeat) (SIMBAD)
みかけの後退速度: 262.2km/s(226.5km/cBeat) (z=0.000875から計算)
実際の後退速度: 262.36km/s(226.7km/cBeat) (z=0.000875から計算)
固有運動(μ): (該当資料なし)
実視寸法: 645×550′
主なカタログ番号
PGC 17223
特徴
銀河内の天体
大マゼラン雲には、約60の球状星団、約400の惑星状星雲、約700の散開星団、そして数十万の巨大な恒星が見つかっている。
恒星
(
高光度天体
)
BAT99 68
BAT99 96
BAT99 98 (AB 12)
BAT99 100 (R134)
BAT99 104
HD 35343 (かじき座S星、RMC 88)
HD 37974 (RMC 126)
HD 38282 (RMC 144)
HD 38344 (BAT99 122、RMC 147)
HD 269445 (BAT99 33、RMC 99)
HD 269810
HD 269908 (BAT99 94、RMC 135)
HD 269926 (BAT99 117、RMC 146)
Melnick 34 A (BAT99 116)
Melnick 34 B (BAT99 116)
Melnick 42 (BAT99 105)
RMC 139 (BAT99 107)
VFTS 16
VFTS 259
VFTS 506
VFTS 621
VFTS 682
星団
RMC 136(星団)
RMC 136a(星団)
RMC 136a1 (BAT99 108)
RMC 136a2 (BAT99 109)
RMC 136a3 (BAT99 106)
RMC 136a4
RMC 136a5 (BAT99 110)
RMC 136a6
RMC 136a8
RMC 136b (BAT99 111)
RMC 136c (BAT99 112)
散光星雲
タランチュラ星雲
(NGC 2070)
超新星
SN 1987A
超新星残骸
SNR 0509-67.5
NGC 2060
SNR B0538-69.1
SNR B0538-69.2 (RMC 136 Ab)
パルサー
PSR B0540-69 (別名 PSR J0540-6919)
PSR J0537-6910 (RMC 136 Ac)
ブラックホール
LMC X-1
LMC X-3
発見
実視等級0.9等と明るいため有史以前より存在が知られており、発見者は特定不可能である。ただ、南天にあるため日本からは観測することができない。
大マゼラン雲という名は、ポルトガルの航海家フェルディナンド・マゼランが1519(永正16)年に出発した世界周航でその存在を記録したことにちなむ。むろん発見者というわけではない。
規模
実際の大きさは、直径が銀河系の1/10程度、質量は銀河系の1/100程度と推定されている。
銀河系近傍
銀河系
の近傍にある星雲であり、銀河系の伴銀河の一つである。但し徐々に銀河系からは遠ざかっている。
かつては銀河系に最も近い星団かと思われていたが、観測と研究により、更に近傍にもいくつか星団があることが明らかとなっている。
ハッブル宇宙望遠鏡の観測などによると、この銀河は元々は他の場所にあったものが(宇宙スケールで)比較的最近、銀河系周辺に接近してきたものであって、長きにわたって銀河系周辺を周回していたわけではないことが分かっている。
大小マゼラン雲
大マゼラン雲と
小マゼラン雲
を接続するガスの橋が見つかっており、更に天球上を100度以上にもわたって長く伸びる水素の雲「マゼラニック・ストリーム」が存在する。
かつては銀河系に接近したため重力でガスが引き寄せられている、と考えられてきた。現在のコンピューターシミュレーションによると、マゼラニック・ストリームは銀河系の影響ではなく、大小マゼラン雲が互いに接近・通過することによって形成されたものとされている。
これは、長期にわたり、大小マゼラン雲が互いに重力的に拘束されていることを示している。
補足
イスカンダル
SF作品「宇宙戦艦ヤマト」では、大マゼラン星雲の中にあるとする架空の恒星サンザーを主星とする「サンザー太陽系」の第8番惑星イスカンダルへと旅立つという設定になっている。
当初のTVアニメ版では距離が14万8000光年とされていたが、リメイク版である「宇宙戦艦ヤマト2199」では実際の距離に近い16万8000光年に変更されるなどしている。
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