Linux 2.6.x
読み:リヌクス-にーてんろくてんエックス
外語:Linux 2.6.x
Linuxカーネル
のうち、バージョン2.6系であるもの。うち2.6.32はLong term releaseである。
目次
概要
特徴
沿革
バージョン
詳細
Linux 2.6.39 (2011年5月18日)
Linux 2.6.38 (2011年3月15日)
Linux 2.6.37 (2011年1月5日)
Linux 2.6.36 (2010年10月21日)
Linux 2.6.35 (2010年8月1日)
Linux 2.6.34 (2010年5月16日) 前版から81日
Linux 2.6.34新機能
Linux 2.6.34リリース
Linux 2.6.33 (2010年2月24日) 前版から84日
Linux 2.6.32 (2009年12月3日) 前版から85日
Linux 2.6.32新機能
Linux 2.6.32リリース
Linux 2.6.31 (2009年9月9日)
Linux 2.6.30 (2009年6月9日)
Linux 2.6.29 (2009年3月23日)
Linux 2.6.28 (2008年12月24日)
Linux 2.6.27 (2008年10月9日)
Linux 2.6
概要
2003(平成15)年から2011(平成23)年にかけてリリースされた(LTSである2.6.32.xを除く)バージョンが、Linux 2.6.xである。
Linux 2.4.x
の後継として登場したバージョンである。
後継は
Linux 3.x
である。
特徴
Linuxのバージョン番号の更新と、大きな仕様変更とは必ずしも密接な繋がりはない。
ゆえに、バージョン2.6としての基本コンセプト、あるいは
バージョン2.4
との差、
バージョン3.x
との差、といったことを一言で表わすことは難しい。
ただ、2.4から2.6の大きな変更点としてシステムコールの仕様変更が存在しており、従来と互換性がなくなっている。
glibc
も、glibc 2.4以降はLinuxカーネル2.6以降でなければ動かない。
沿革
バージョン
Linux 2.6.39 (2011(平成23)年5月18日) 2.6.39.4まで
Linux 2.6.38 (2011(平成23)年3月15日) 2.6.38.8まで
Linux 2.6.37 (2011(平成23)年1月5日) 2.6.37.6まで
Linux 2.6.36 (2010(平成22)年10月21日) 2.6.36.4まで
Linux 2.6.35 (2010(平成22)年8月1日) 2.6.35.14まで
Linux 2.6.34 (2010(平成22)年5月16日) 2.6.34.15まで
Linux 2.6.33 (2010(平成22)年2月24日) 2.6.33.20まで
Linux 2.6.32 (2009(平成21)年12月3日) LTS
Linux 2.6.31 (2009(平成21)年9月9日) 2.6.31.14まで
Linux 2.6.30 (2009(平成21)年6月9日) 2.6.30.9まで
Linux 2.6.29 (2009(平成21)年3月23日) 2.6.29.6まで
Linux 2.6.28 (2008(平成20)年12月24日) 2.6.28.10まで
Linux 2.6.27 (2008(平成20)年10月9日) 2.6.27.62まで
Linux 2.6.26 (2008(平成20)年7月13日) 2.6.26.8まで
Linux 2.6.25 (2008(平成20)年4月16日) 2.6.25.20まで
Linux 2.6.24 (2008(平成20)年1月28日) 2.6.24.7まで
Linux 2.6.23 (2007(平成19)年10月9日) 2.6.23.17まで
Linux 2.6.22 (2007(平成19)年7月7日) 2.6.22.19まで
Linux 2.6.21 (2007(平成19)年4月25日) 2.6.21.7まで
Linux 2.6.20 (2007(平成19)年2月4日) 2.6.20.21まで
Linux 2.6.19 (2006(平成18)年11月29日) 2.6.19.7まで
Linux 2.6.18 (2006(平成18)年9月20日) 2.6.18.8まで
Linux 2.6.17 (2006(平成18)年6月17日) 2.6.17.14まで
Linux 2.6.16 (2006(平成18)年3月19日) 2.6.16.62まで
Linux 2.6.15
Linux 2.6.14
Linux 2.6.13
Linux 2.6.12
Linux 2.6.11
Linux 2.6.10
Linux 2.6.9
Linux 2.6.8
Linux 2.6.7 (2004(平成16)年6月15日)
Linux 2.6.6
Linux 2.6.5
Linux 2.6.4
Linux 2.6.3
Linux 2.6.2 (2004(平成16)年2月4日)
Linux 2.6.1 (2004(平成16)年1月8日)
Linux 2.6
詳細
Linux 2.6.39 (2011(平成23)年5月18日)
Sandy Bridge
対応は含まれていない。LinuxCon Japan開催や次のリリースへの影響を勘案し、リリースに踏み切った。このためLinus氏は相当な不満があるとのことである。
ext4
のスケーラビリティの改善
IPset
Btrfsの更新
Transcendent Memory
Big Kernel Lock
をソースから完全に抹消
name_to_handle_at()、open_by_handle_at()
システムコール
の追加
グラフィックドライバー関係の更新
Linux 2.6.38 (2011(平成23)年3月15日)
自動プロセスグルーピング ("200 Lines Kernel Patch That Does Wonders")
VFS のスケーラビリティ向上
Btrfs、LZO圧縮のサポート
4Kiバイト超ページへの透過アクセス
transmit packet steering(XPS)の実装
RCU(Read/Copy/Update)ベースのパス名検索
Linux 2.6.37 (2011(平成23)年1月5日)
ext4とXFSでのSMPスケーラビリティの改善
Big Kernel Lock
の廃止
cgroup単位でのI/O throttingのサポート
Cephファイルシステムベースのネットワークブロックデバイス
Btrfsのいくつかを改善
静的プローブの更なる効率化
ハイバネーション
イメージで
LZO
圧縮
PPP over IPv4対応
Linux 2.6.36 (2010(平成22)年10月21日)
Tileraアーキテクチャーへの対応
Fanotify
KMSとKDBの融合
ワークキュー管理の同時実行
Intel Intelligent Power Sharing対応
CIFSローカルキャッシュ
VM関連のデスクトップ応答の改善
OOMの書き換え
AppArmor
Linux 2.6.35 (2010(平成22)年8月1日)
マルチCPU環境でネットワークスループットを向上させる機能
Receive Packet Steering(RPS)
Receive Flow Steering(RFS)
Btrfsファイルシステムの強化
Linux 2.6.34 (2010(平成22)年5月16日) 前版から81日
Linux 2.6.34新機能
新しいファイルシステムCephとLogFSの採用、Btrfsの改良
カーネルレベルでの仮想ネットワーク機能vhost(vhos-net)の追加
VMware
ドライバーVMware Balloon driverの追加
Linux 2.6.34リリース
2.6.34はLong term releaseだった。2.6.34.15が2.6.34の最終版である。
Linux 2.6.34.15 (2014(平成26)年2月10日)
Linux 2.6.34.14 (2013(平成25)年1月16日)
Linux 2.6.34.13 (2012(平成24)年8月20日)
Linux 2.6.34.12 (2012(平成24)年5月22日)
Linux 2.6.34.11 (2012(平成24)年3月22日)
Linux 2.6.34.10 (2011(平成23)年6月26日)
Linux 2.6.34.9 (2011(平成23)年4月7日)
Linux 2.6.34.8 (2010(平成22)年11月6日)
CVE-2010-3904
修正
Linux 2.6.34.7 (2010(平成22)年9月13日)
Linux 2.6.34.6 (2010(平成22)年8月26日)
Linux 2.6.34.5 (2010(平成22)年8月20日)
Linux 2.6.34.4 (2010(平成22)年8月13日)
Linux 2.6.34.3 (2010(平成22)年8月10日)
Linux 2.6.34.2 (2010(平成22)年8月2日)
Linux 2.6.34.1 (2010(平成22)年7月5日)
Linux 2.6.34 (2010(平成22)年5月16日)
Linux 2.6.33 (2010(平成22)年2月24日) 前版から84日
メモリーの一部を特殊なブロックデバイス(スワップ専用)に見せ、ここに書き込まれる際にLZOで圧縮して保持する機能
I/Oスケジューラーのうち、初期の2.6で使われていたanticipatoryスケジューラーの削除(現在のデフォルトはCFQ)
ext4のファイルシステムドライバーで、ext2/ext3のファイルシステムもマウント可能になった
Linux 2.6.32 (2009(平成21)年12月3日) 前版から85日
Linux 2.6.32新機能
3Dアクセラレーションまわりの改良
スケジューラーの改良
パフォーマンスカウンター機能の追加
Intel Atom
を独立したProcessor familyとした
Kernel Samepage Merging (同一内容のメモリーを共有化する機能)
/devを
tmpfs
にする機能に対応
ソフトウェアRAIDにおいて、
マルチコア
プロセッサーに対応
VMwareが用いるvmxnet3仮想イーサネットドライバーをカーネル側でサポート
Linux 2.6.32リリース
2.6.32はLong term releaseであるため、リリース履歴を以下に示す。
Linux 2.6.32.67 (2015(平成27)年6月3日)
Linux 2.6.32.66 (2015(平成27)年5月24日)
Linux 2.6.32.65 (2014(平成26)年12月13日)
Linux 2.6.32.64 (2014(平成26)年11月23日)
Linux 2.6.32.63 (2014(平成26)年6月18日)
Linux 2.6.32.62 (2014(平成26)年5月19日)
Linux 2.6.32.61 (2013(平成25)年6月10日) 3.0.80からセキュリティFIXの輸入
Linux 2.6.32.60 (2012(平成24)年10月9日)
Linux 2.6.32.59 (2012(平成24)年3月17日)
Linux 2.6.32.58 (2012(平成24)年3月4日)
Linux 2.6.32.57 (2012(平成24)年2月13日)
Linux 2.6.32.56 (2012(平成24)年2月3日)
Linux 2.6.32.55 (2012(平成24)年1月25日)
Linux 2.6.32.54 (2012(平成24)年1月12日)
Linux 2.6.32.53 (2012(平成24)年1月6日)
Linux 2.6.32.52 (2012(平成24)年1月3日)
Linux 2.6.32.51 (2011(平成23)年12月21日)
Linux 2.6.32.50 (2011(平成23)年12月9日)
Linux 2.6.32.49 (2011(平成23)年11月28日)
Linux 2.6.32.48 (2011(平成23)年11月8日)
Linux 2.6.32.47 (2011(平成23)年11月7日)
Linux 2.6.32.46 (2011(平成23)年8月29日)
Linux 2.6.32.45 (2011(平成23)年8月15日)
Linux 2.6.32.44 (2011(平成23)年8月8日)
Linux 2.6.32.43 (2011(平成23)年7月13日)
Linux 2.6.32.42 (2011(平成23)年6月23日)
Linux 2.6.32.41 (2011(平成23)年5月23日)
Linux 2.6.32.40 (2011(平成23)年5月9日)
Linux 2.6.32.39 (2011(平成23)年4月22日)
Linux 2.6.32.38 (2011(平成23)年4月15日) RDSプロトコル修正
Linux 2.6.32.37 (2011(平成23)年4月15日)
Linux 2.6.32.36 (2011(平成23)年3月27日)
Linux 2.6.32.35 (2011(平成23)年3月24日)
Linux 2.6.32.34 (2011(平成23)年3月23日)
Linux 2.6.32.33 (2011(平成23)年3月14日)
Linux 2.6.32.32 (2011(平成23)年3月7日)
Linux 2.6.32.31 (2011(平成23)年3月3日)
Linux 2.6.32.30 (2011(平成23)年3月2日)
Linux 2.6.32.29 (2011(平成23)年2月17日)
Linux 2.6.32.28 (2011(平成23)年1月7日)
Linux 2.6.32.27 (2010(平成22)年12月9日)
Linux 2.6.32.26 (2010(平成22)年11月22日)
Linux 2.6.32.25 (2010(平成22)年10月29日)
CVE-2010-3904
修正
Linux 2.6.32.24 (2010(平成22)年10月1日)
Linux 2.6.32.23 (2010(平成22)年9月26日)
Linux 2.6.32.22 (2010(平成22)年9月20日)
Linux 2.6.32.21 (2010(平成22)年8月26日)
Linux 2.6.32.20 (2010(平成22)年8月20日)
Linux 2.6.32.19 (2010(平成22)年8月13日)
Linux 2.6.32.18 (2010(平成22)年8月10日)
Linux 2.6.32.17 (2010(平成22)年8月2日)
Linux 2.6.32.16 (2010(平成22)年7月5日)
Linux 2.6.32.15 (2010(平成22)年6月1日)
Linux 2.6.32.14 (2010(平成22)年5月26日)
Linux 2.6.32.13 (2010(平成22)年5月12日)
Linux 2.6.32.12 (2010(平成22)年4月26日)
Linux 2.6.32.11 (2010(平成22)年4月1日)
Linux 2.6.32.10 (2010(平成22)年3月15日)
Linux 2.6.32.9 (2010(平成22)年2月23日)
Linux 2.6.32.8 (2010(平成22)年2月9日)
Linux 2.6.32.7 (2010(平成22)年1月28日)
Linux 2.6.32.6 (2010(平成22)年1月25日)
Linux 2.6.32.5 (2010(平成22)年1月22日)
Linux 2.6.32.4 (2010(平成22)年1月18日)
Linux 2.6.32.3 (2010(平成22)年1月6日)
Linux 2.6.32.2 (2009(平成21)年12月18日)
Linux 2.6.32.1 (2009(平成21)年12月14日)
Linux 2.6.32 (2009(平成21)年12月3日)
Linux 2.6.31 (2009(平成21)年9月9日)
デスクトップ環境の改善
USB 3.0
サポート
FUSEの拡張機能CUSE(character devices in userspace)搭載、OSSサウンドをALSAでプロクシーする場合などに利用可能
ハードウェアパフォーマンスカウンター用の新ツール
readaheadの改良
ATI Radeon KMSのサポート
IntelワイヤレスMulticomm 3200のサポート
gcovのサポート
メモリーチェッカー
メモリーリーク検出
新ファイルシステム監視インフラと、inotify/dnotifyの再実装
Btrfsの改善
IEEE 802.15.4
(
ZigBee
)のサポート
IEEE 1394
(
FireWire
)での
IPv4
Linux 2.6.30 (2009(平成21)年6月9日)
「TOMOYO Linux」(日本発のセキュリティシステム)の統合
NTTが開発したスナップショットファイルシステム「NILFS2」の統合
POHMELFS、DSTなどの分散ストレージ/High Performance Storage向けテクノロジー搭載
クラスターシステム間などでメッセージ交換するための「Reliable Datagram Sockets(RDS)」プロトコル
Fastboot機能。起動時、デバイススキャンを並列化することで
ブート
を高速化
IEEE 802.11wのサポート
新システムコール、preadv()/pwritev()の実装
オブジェクトベースのファイルシステム「EXOFS」
NFS 4.1の実験的なサポート
キャッシュ機構付きファイルシステム「FS-Cache」
ファイルシステムのパフォーマンス向上
LZMA
/
bzip2
によるカーネルイメージ圧縮機能
Microblazeアーキテクチャーに新規対応
ファイル
改竄
などをチェックする機能Integrity Management Architecture
Linux 2.6.29 (2009(平成21)年3月23日)
カーネルロード時に表示されるマスコットがペンギンのTuxから、タスマニアデビルのTuzに変更された
グラフィカルなカーネルモード設定を可能とした
WiMAX
のサポート
新ファイルシステム(Btrfs、SquashFS)対応
ファイルシステムのフリーズ機構 (入出力命令を一時的にブロックする機構)
x86アーキテクチャーで(理論上)最大4,096CPUまで対応 (スケーラビリティ向上の指標として)
ジャーナリングなしのext4
ファイルを透過的に暗号化するeCryptfs
stagingディレクトリの導入
SATAで32ビットPIO対応
IDE-SCSIエミュレーションの削除 (大昔、ATAPI CD-R/RWの操作で使われていたが、今では不要)
cpufreqでCeleron coreをサポート(p4-clockmod)
Linux 2.6.28 (2008(平成20)年12月24日)
ext4ファイルシステムは、安定版と宣言された
GPU向けのメモリーマネージャーGEMが搭載された
起動時間改善の手助けをするBoot tracer
ATA/ATAPI-7の機能を用いたハードディスクの揺れ検知機能をサポート
Linux 2.6.27 (2008(平成20)年10月9日)
ext4に遅延割り当て機構の追加
フラッシュメモリー向けファイルシステムUBIFS
Linux 2.6
マルチプロセッサーの対応強化
RCU (Read-Copy Update)
O(1)スケジューラ
pagevec
ロック粒度の向上などの改良各種
Big Kernel Lock
を廃止し、より細かいロックで置き換えて実行の並列度を向上。
マルチスレッド
の対応強化
vcache
futex (Fast Userspace Mutexes)
ネットワーク機能の改良
zerocopy NFS
epoll
ファイルI/Oの効率化
Multi page block I/O
AIO (Asynchronous I/O)
readv/writev
アドレス空間・メモリー管理の改良
rmap (reverse map)
mempool
再検索