システムコール
読み:システムコール
外語:system call

 システムの機能を呼び出すこと。及び、それをするための機構のこと。
目次

概要

差異
 システム、一般にはオペレーティングシステム(OS)であるが、その機能の呼び出し方はOSによって大きく違いがある。
 OSに求められる機能の差や、OSの設計方針の差などが反映されるからである。
 かくして、あるOS用に書かれたプログラムは、別のOSで動かすことができない(実際の理由はそれだけではないが)。

主な一覧
 呼び出し方法は、出来るだけ無理がなく、簡単であるほうが望ましい。
 そこでどのようなOSでも、そのCPUの種類に応じ、最も自然な方法が選択されている。
 x86系でありがちなOSでは、16ビット/32ビット/64ビットの環境を問わず、ソフトウェア割り込み機能が使われている。
OS名呼び出し方法概要
MS-DOSINT 21hAHまたはAXにファンクション番号。引数はレジスター。
Windows VxDINT 20hCD20FFFFNNNN (int 20h, <ファンクション番号>, <VxD識別番号>)
Windows NTINT 2EhEAXにファンクション番号
Windows 2000
Windows XP(x86)sysenter 
Windows XP(64)syscall 
FreeBSDINT 80hEAXにファンクション番号。引数はスタック。
LinuxINT 80hEAXにファンクション番号。引数はレジスター。
sysenter
 Linuxの場合、Linux 2.6からsysenterによる呼び出しにも対応した。

特徴

MS-DOS
 MS-DOSは、INT 21hシステムコールと呼ばれるソフトウェア割り込みで行なわれる。
 AHレジスターに機能番号、それ以外のレジスターに必要な引数(パラメーター)を入れ、INT 21hを実行する。

Windows 3.xと9x
 Windows 9xの場合、アプリケーションソフトは通常、ring3で動作する。このためINT 30hでリングレベルをring0に変更し、VxD層にある機能を呼ぶことになる。後はWindows 3.xと同様である。
 VxD層の機能は、INT 20hで呼ぶ。引数込みで6バイトで構成される。
 CD 20 FF FF NN NN
 FFFFがファンクション番号、NNNNが呼び出すVxD識別番号である。

FreeBSD
 FreeBSDのx86版は、int 80hソフトウェア割り込みで行なわれる。
 引数はスタックにpushし、システムコール番号をEAXレジスターに入れ、int 80hを実行する。

Linux
 Linuxのx86版は、二通り方法がある。
 基本はFreeBSDと同様にソフトウェア割り込みで行なわれる。但し呼び方は若干異なり、引数はレジスターに入れ、システムコール番号をEAXレジスターに入れ、int 80hを実行する。各レジスターの使われ方は、次のとおり。
 Linuxカーネル2.6からはsysenterによる呼び出しにも対応した。int 80h命令でのシステムコールは既に古く、sysenterの方が高速である。

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