.NET Framework
読み:ドットネット-フレームワーク
外語:.NET Framework

 Microsoftが開発した、アプリケーション動作環境。
目次

概要

環境
 Microsoft Windowsやその他オペレーティングシステム上で動作するシステムであり、さらにこの上で動作するWebサービスやインターフェイスを提供する。
 .NETは提供される環境の総称である。その根幹は「共通言語基盤」(CLI)であり、ISO/IEC 23271として国際標準化されている。
 この標準のMicrosoftによるデスクトップ用実装が共通言語ランタイム(CLR)であり、CLRに様々なライブラリを付加したものが.NET Frameworkであると言える。

機能
 具体的には、次の柱からなる。
 CLRにより、特定のハードウェアに依存せずにソフトウェアを稼働させ、更にメモリー管理やセキュリティ管理などの機能を提供する。
 CLRは、Javaにおける仮想計算機JVM」と同様のものであり、C#C++Visual BasicPascalなどのプログラミング言語で作ったプログラムを共通中間言語(Common Intermediate Language、CIL)と呼ばれる中間言語にコンパイルし、このバイナリを動作させるシステムである。

特徴

仕様はオープン
 Javaとは違い、仕様の一部はオープンであり、実行環境である共通言語基盤(以下、CLI)は、2001(平成13)年12月に情報通信の標準化団体ECMAによりEMCA-335として標準化仕様として承認され、同時にMicrosoftが.NET Framework用に開発したC#言語もECMA-334として承認された。
 CLIは更にISO/IEC 23271としてISO標準化され、日本でもこのISOの邦訳がJIS X 3016として制定されている。

オープンの範囲
 CLIは確かにECMA標準であり、ISO標準であり、JIS規格であり、オープンソースであるが、かといって、.NET Framework全体がオープンであるかというと、そうではない。
 .NET Frameworkのうち、実用的な次の機能は非公開である。
 つまり、公開された仕様で作成可能なのはコンソールプログラムくらい、ということになる。

主要実装
 CLIは公開仕様であるので、これに準じたMicrosoft以外による実装もある。
 また、広い世の中には色々な人がいるもので、有志によりLinux用として、仕様が非公開のWindows FormやASP .NET、ADO .NETまでも含めた.NET Framework互換環境を独自に実装しようとするプロジェクトも勃興している。

バージョン

一覧表
 .NET Frameworkには複数のバージョンが存在する。Windowsのバージョンにより、標準インストールされているバージョンが異なり、またインストール可能なバージョンも異なる。
 .NET Frameworkの主要なバージョンは次のとおり。
 それぞれに、サービスパックなどが用意されているため、様々なバージョン違いがある。

各版の特徴

.NET Framework 1.0
 .NET Frameworkの最初の版。
 Windows 98以降と、Microsoft Windows NT 4.0以降用に提供された。
 既にサポートは終了している。

.NET Framework 1.1
 初の更新版であり、本格的に普及した最初の.NET Frameworkである。
 2013(平成25)年10月8日をもって延長サポート期間が終了した。

.NET Framework 2.0
 初のメジャーバージョンアップ版。様々な拡張、仕様変更等が行なわれている。
 64ビット環境(IA-64や、x64)に対応した最初の版である。
 2016(平成28)年4月12日をもってサポート期間が終了する予定。

.NET Framework 3.0
 元々はWindows Vista用の新APIとして、開発コードネーム「WinFX」として開発されていたもの。その後、正式名称が.NET Framework 3.0と決定した。
 基本的な基盤仕様は.NET Framework 2.0から変更がなく、CLRのバージョンは2.0のまま4つの新技術(サブシステム)を追加したものとなっている。
 3.0は、コンポーネントごとに異なるバージョン番号を持っており、統一が無い。
 OSごとの、インストール可能なバージョンは次のとおり。

.NET Framework 3.5
 .NET Framework 3.0に対し、次の機能が追加されたもの。
 3.0と同様、互換性への影響に配慮し、CLRのバージョンは2.0のまま新機能を新アセンブリとして提供される。言い換えれば、3.5には2.0以降の全てが含まれているので、3.5をインストールすれば2.0以降が一式揃う。
 また、この版からはJ#が開発言語としての対応が終了している。
 主要な新機能は次の通り。

.NET Framework 4
 Visual Studio 2010で対応したバージョン。CLRのバージョンは4になった。
 主要な新機能は次の通り。

.NET Framework 4.5
 Visual Studio 2013で対応したバージョン。CLRのバージョンは4.5になった。
 4を完全に置き換えるもので、4と4.5は共存できないが、4.5は4の完全な上位互換だとされている。また、Windows XPのサポートが終了し、Vista以降が必須となった。
 主要な新機能は次の通り。

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