MSX-Engine
読み:エムエスエックス-エンジン
外語:MSX-Engine

 MSXパソコンの主要機能を持つカスタムCPU製品。東芝の製品が多い。
 周辺機能のみでCPUを含まない製品にMSX Systemがある。
目次

概要
 MSXMSX2の頃に作られ、MSX2の主要機能の大半を含み、MSX2普及機以降のほぼ全機種で採用されている。ちなみにソニーは頑に採用を拒み、DIPのZ80A等を使っていた。
 Z80(Z80A)相当のCPUを中心に、AY-3-8910相当のPSG8255相当のパラレルポートが搭載されている。CMTインターフェイスやキーボードインターフェイス、プリンターポートも、このLSI一つで賄うことができる。
 このLSIが作られたことで、LSIの減価償却後は主要部分を安価に製造可能となり、松下からは何と29,800円の製品が登場したのである。

利点
 このLSIがなければ、PSG、8255、その周辺の74シリーズなどは自前で調達し基板に実装せねばならないが、これは基板面積も金銭的コストも掛かる。
 MSXの場合、CMTインターフェイスやジョイスティックポートはPSGで、キーボードインターフェイスやプリンターポートは8255で処理されるが、これらの機能がまとめて1チップになれば、それだけ安価になる、という理屈である。

特徴
 MSX各機種用に製品が用意されている。
 一部情報ソースでは「T7775」という名も見られるが、存在は確認できていない。

T7937 (東芝製)
 MSXで採用されたMSX-Engineである。
 Z80 CPU、PPIPSGTMS9918相当のVDPを搭載しているオールインワンパッケージである。
 パッケージは144ピンQFP

T9769 (東芝製)
 MSX2+/MSXturboRで採用されたMSX-Engineである。
 松下電器のMSX2+ではT9769B、MSXturboRや三洋のMSX2+であるPHC-70FD(WAVY70FD)、PHC-70FD2(WAVY70FD2)ではT9769Cが使われている。またMSXturboRでは、T9769Cに加えてバスコントローラーS1990を併用している。
 Z80 CPU、PPIRTCPSGを搭載している。VDP以外の主要機能の殆どがワンチップ化されている。
 パッケージは144ピンQFP
 BとCの仕様の差などは定かではない。MSXturboRでR800使用中は、内部のZ80を停止させる機能がT9769Cには盛り込まれているようである。

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