Ib型超新星
読み:いちビーがたちょうしんせい
I型超新星のうち、中性ヘリウムの吸収線が特徴的なもの。
概要
従来、I型超新星の特徴とされていた超新星に見られた珪素による吸収線が見られないものとして新たに発見されたもの。これ以降、従来I型超新星と呼ばれたものはIa型超新星とされ、新しく発見されたものはIb型超新星とされた。
この種の超新星は大質量星の重力崩壊型で、ヘリウム層が露わになっている恒星の超新星爆発による。より高齢の大質量星でヘリウム層すら失われているものはIc型超新星に分類される。
特徴
吸収線
これまで発見されたIa型超新星は、珪素による615nm付近の吸収線(実験室では635.5nmなので、-10000km/s(-8640.0km/cBeat)程度の視線速度のため青方偏移している)を特徴としていた。
しかし新たに発見されたIb型超新星にはこの吸収線が見られず、代わりに570nm付近の吸収線を持った超新星が発見された。この線は、中性ヘリウムの吸収線(実験室では587.5nm)の線に同定された。
結果として、珪素の線が見られるものがIa型超新星、ヘリウムの線が見られるものはIb型超新星と呼ぶようになって現在に至っている。
細分類
Ib型超新星も、更に細かく分類があり、例えば次のように分けられる。
- Ib-norm ‐ 通常のもの
- Ib-pec ‐ 独特(peculiar)であるもの
主な超新星
Ib型超新星は膨大な量が発見されているが、その中でも特に論文の中に見られるなど注目されることがあるものに、次のようなものがある。()で併記するのは所属する銀河等の名称。
- SN 1998dt (NGC 945)
- SN 2005cz (NGC 4589)
- SN 2006jc (UGC 4904) ‐ Ibn型
- SN 2014ef (NGC 309)
- SN 2019ehk (M100)
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