ニトログリセリン
読み:ニトログリセリン
外語:nitroglycerin
液状の爆薬。三硝酸グリセリン、あるいは硝酸グリセロールなどともいうが、実際にはこちらが正式名称。ニトログリセリンはニトロ化合物ではない。
目次
概要
基本情報
誘導体、関連物質の例
性質
特徴
製法
応用
発見
安全性
適用法令
危険性
有害性
環境影響
概要
基本情報
分子式: C
3
H
5
N
3
O
9
構造式: C
3
H
5
(NO
3
)
3
分子量
: 227.09
比重
: (該当資料なし)
融点
: 13℃(ICSC)
沸点
: 218℃(沸点以下で分解)
CAS番号
: 55-63-0
ICSC番号: 0186
官報公示整理番号(化審法番号): 2-1574
官報公示整理番号(化学物質管理促進法): 1-236
外観: 無色から
黄色
の液体、あるいは淡黄色の
結晶
風味: 味は甘くて美味しいらしい
溶解性:
水
に溶けにくい
アセトン
、
ベンゼン
、
クロロホルム
などの
有機溶媒
に可溶
誘導体、関連物質の例
加水分解で次の物質を生じる。
グリセリン
硝酸
性質
衝撃、摩擦、振動等により、爆発的に分解することがある。
この爆発性を利用してダイナマイトなどの爆弾の原料として使われるが、その一方で狭心症の薬としても利用されている。
狭心症に対する効能は、ニトログリセリン製造工場で働いていた狭心症患者がいたため、偶然に発見されたらしい。
特徴
製法
濃硫酸
+濃硝酸(
発煙硝酸
)+
グリセリン
で作られる。
但し、僅かな衝撃で爆発する危険な薬品で、
試験管
に少しでも腕を吹き飛ばすには充分な威力である。一度に大量に作ろうとした場合の命の保証はできない。冗談でも素人が作ろうと考えてはいけない。
応用
水酸化ナトリウム
(苛性ソーダ)のアルコール溶液で分解すると非爆発性となり、血管膨張剤、つまり血圧降下剤や狭心症の特効薬として便われている。
発見
イタリアの化学者であるアスカニオ・ソブレロ(Ascanio Sobrero)によって1847(弘化4)年に合成された。
かつては木炭や
黒色火薬
などと混ぜて固形化した
爆弾
が作られていたが、ニトログリセリン単体よりはマシな程度の安全性しかなく、製造過程や運搬過程での爆発事故が多発していた。
ニトログリセリンは威力が強すぎて逆に実用にならなかったが、後にノーベルによって珪藻土(けいそうど)と混合して固体化した状態であれば爆発せず安全に取り扱えることが発見され「ダイナマイト」が誕生し、ようやくニトログリセリンは実用を見たのである。
ノーベル自身も、ダイナマイト発明前には家族が経営していた工場の爆発事故で肉親を亡くしている。
安全性
適用法令
化学物質管理促進法(PRTR法): 第1種指定化学物質
消防法(危険物の規制に関する政令)
危険物 第五類(自己反応性物質)
危険性
引火点: (該当資料なし)
発火点: 270℃(ICSC)
爆発限界: (該当資料なし)
有害性
刺激
腐食性: (該当資料なし)
刺激性: 眼を刺激する
感作性
: 反復または長期の接触で皮膚感作を引き起こすことがある
毒性
急性毒性
: (該当資料なし)
慢性毒性
: (該当資料なし)
がん原性: (該当資料なし)
変異原性
: (該当資料なし)
生殖毒性: (該当資料なし)
催畸形性
: (該当資料なし)
神経毒性: (該当資料なし)
規制値
一日許容摂取量
(ADI): (該当資料なし)
暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
暴露許容濃度(TLV): 0.05ppm(TWA); (
皮膚
); (ACGIH 2005)
最大許容作業濃度(MAK): 記載あり (DFG 2005)
環境影響
分解性: 水圏にて生分解されやすいが、大気中では分解されにくい
蓄積性: (該当資料なし)
魚毒性: 水生生物に対して毒性が強い
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