近畿日本鉄道
読み:きんきにっぽんてつどう
大手私鉄
の一つ。
JR
以外では日本最長の
営業キロ
を持つ鉄道会社。
スルッとKANSAI
ネットワークに加盟している。
目次
概要
基本情報
沿革
特徴
攻め
守り
特急列車網
車両
相互乗り入れ
ひどい重連運用
JRとの関係
スポーツ
路線
概況
路線一覧
広域ストアードフェアカードへの参加
スルッとKANSAI
Jスルーカード
PiTaPa
ICOCA
概要
基本情報
商号: 近畿日本鉄道株式会社
本社: 〒543-8585
大阪府
大阪市
天王寺区上本町6丁目1番55号
設立: 1944(昭和19)年6月1日
資本金
: 927億4100万円 (2008(平成20)年3月31日現在)
代表者: 頻繁に変わる
従業員: 8,293人 (2008(平成20)年3月31日現在)
沿革
1941(昭和16)年: 大阪電気軌道、参宮急行電鉄、関西急行電鉄が合併し関西急行鉄道となる
1944(昭和19)年: 戦時統合によりこれに南海鉄道が合併し、現在の社名となる 合併当初は大阪〜伊勢の輸送が主力であった。
戦後は南海電鉄を元通り分社したが、そのあとにも信貴生駒電鉄(現:近鉄生駒線・田原本線)、奈良電気鉄道、三重電気鉄道(現:近鉄湯の山線・志摩線・三岐鉄道北勢線)など周辺の私鉄を合併によって傘下に入れた。
1947(昭和22)年: 名阪直通特急の運転(伊勢中川乗り換え)を開始 その後しばらくは名阪輸送で圧倒的な優位に立つが、1964(昭和39)年に
東海道新幹線
が開通すると急激に乗車人数が減った。
しかし、その後車内設備の充実やスピードアップ、新幹線とのタイアップ戦略などの努力により、現在では新幹線開通前より乗客は増えている。
2001(平成13)年2月1日:
スルッとKANSAI
導入
2001(平成13)年10月14日:
Jスルーカード
への参加を開始
2007(平成19)年4月1日:
PiTaPa
に参加
2009(平成21)年3月1日: Jスルーカードの自動改札機、精算機での利用が終了
2012(平成24)年12月1日: 自社での
ICOCA
・ICOCA定期券販売を開始
2013(平成25)年3月23日:
交通系ICカード全国相互利用
開始
特徴
攻め
近年でも新線事業を実施するなど、積極的施策が目立つ。
けいはんな線開通(2006(平成18)年3月27日)や阪神なんば線との接続(2009(平成21)年3月20日)など。
特別料金を取る新型特急しまかぜの投入(2013(平成25)年)など、特急の利用率低下にも一部列車の料金割引と同時に挑戦的な施策でも挑むようである。
守り
不採算事業についてはリストラを継続して実施している。
伊賀線→伊賀鉄道、養老・揖斐線→養老鉄道などとして分社(これは大軌合併前の姿に近い)し
上下分離方式
で経営したり(2007(平成19)年10月1日から)、生駒線や山田線、鳥羽線、志摩線、名古屋線の一部などで新たに(2004(平成16)年)
ワンマン
運転を開始する、大幅な減便ダイヤ改正を行なう(2012(平成24)年)など。
細かいところでは、
駅名標
が従来の暗い茶色地に白字のものから白地に黒字のものに基本的に変更された(2008(平成20)年頃から)が、これは前者の駅名標が中に照明をいれて光らせていたのに対し、その分の電気代のコストカット目的ではないかと思われる。
特急列車網
特急列車網が整備されており、2つ3つの特急の乗り継ぎなども便利に利用できる巧みなダイヤとシステムを誇る。
1958(昭和33)年に日本初の長距離二階建て電車を連結した特急「ビスタカー」などを走らせたり、現在でも
東海道新幹線
と名阪運輸を競っているなど、特急関連の武勇伝(?)は多い。
無料特急の氾濫する関西私鉄の中で
南海電気鉄道
と並んで有料特急を走らせているが、自由席や一般車併結のない純粋な指定席特急のみの運行は近鉄のみが行なっている。無料特急をもつ他社線(
京阪電気鉄道
、
阪神電気鉄道
)との連絡駅には、近鉄特急は有料である旨を特別に注意書きしている。
車両
ほぼすべての車両が近鉄グループ傘下の近畿車輛製造である。昔から全体的に品質の高い車両が多いとして知られる。
車両系列、形式の把握があまり体系だって統一されておらず困難として有名。特に一般車(非特急車)はほぼ規格が統一された見た目であるにもかかわらず、細かな制御機器の変更などで番号もマイナーチェンジを行なうなど難解を極めるようだ。
相互乗り入れ
大阪市営地下鉄中央線
、
京都市営地下鉄烏丸線
、阪神なんば線と相互直通運行している。
第三軌条方式
である大阪市営地下鉄中央線との相互直通運行は、実質近鉄が地下鉄線を延伸したようなものである。
ひどい重連運用
他の鉄道会社に比べ編成の連結運用(重連運用)が多い(特に一般車)。
ラッシュ時に途中駅で増結するなどで2編成が連結している姿などは他社でもよく見られる光景であろうが、近鉄ではなぜか運行途中で増解結がないにもかかわらず2、3編成を常時連結し運行する例が多い。
増解結がないのに4両編成が2+2、6両編成が3+3や2+2+2で構成されている場合、2両増結された10両編成が2+4+4である場合などはよく見られる。ひどいときには10両編成が2+2+2+2+2で構成されていることもある。
一般車に限らず特急車でもこのような構成はあるが、一般車の場合は、旧来の近鉄車両(マルーン色基調)、シリーズ21(アースブラウン基調)、および阪神電気鉄道1000系(ステンレス色)が混在できることもあり、たまに見た目にも間違った見ごたえのある編成が誕生することになる。
なぜこんなに運転台の無駄遣いをしているのか、特に奈良線系統では3両編成を伴う途中増解結は存在しないのに3両編成があふれているのかは、謎である。
なお日常的に連結しまくっているせいか連結技術は高く、さほど停車時間や遅延の増加にならないせいか、ラッシュ時の途中駅での増解結が多いダイヤも組まれている。
JRとの関係
近鉄とJRの路線は各所でルート上競合している。しかし他の関西私鉄の置かれた状況とは違い、近鉄の場合はほぼ全ての並行JR線に対して明らかに利便性などで勝っており、近鉄側から特に敵視するような様子は見られない。
むしろJR系の
Jスルーカード
を関西私鉄で唯一採用していたり、同じくJR系の
ICOCA
を
PiTaPa
に遅れるにせよ自社販売し始めたり、名阪運輸で競合するはずの
東海道新幹線
との接続を考慮したり、JRとの共同使用駅も(とくに三重県内では)多かったりと、関係は良好に見える。
並行JR線は元々黎明期の私鉄線を国鉄が買収しその後軽視していた路線だったり、幹線級の扱いを受けていないものだったりと、後発で高規格路線志向である近鉄が有利であったのであろう。
スポーツ
かつては大阪近鉄バファローズという球団を保有していたが、2004(平成16)年、球団及び近鉄グループの経営難から2005(平成17)年3月末に解散、オリックスに営業譲渡した。
その後スポーツはラグビーチームの近鉄ライナーズなどを宣伝している。
路線
概況
総営業キロ508.2km。23の路線と、1索道線、2鋼索線を持つ。
路線一覧
全23路線と、1索道線、2鋼索線は次の通り(順不同)。
けいはんな線
難波線
奈良線
京都線
信貴線
道明寺線
南大阪線
長野線
天理線
御所線
吉野線
橿原線
大阪線
内部線
八王子線
湯の山線
名古屋線
鈴鹿線
山田線
鳥羽線
志摩線
生駒線
田原本線
葛城山ロープウェイ
生駒ケーブル
西信貴ケーブル
広域ストアードフェアカードへの参加
スルッとKANSAI
原則全駅導入という方針に対し、その駅数の多さおよび未だ全駅にない
自動改札機
の導入の手間などから導入が遅れ、
スルッとKANSAI
は2001(平成13)年2月1日の導入となった。
利用範囲は大阪近郊の路線(一部除く)に限られ、名古屋地区では使えない。
Jスルーカード
2001(平成13)年10月14日から、大阪近郊の各駅が
Jスルーカード
に参加していたが、2009(平成21)年3月1日をもって自動改札機、精算機での利用が終了された。
PiTaPa
2007(平成19)年4月1日から、一部ローカル線を除く各駅が
PiTaPa
に参加している。
ICOCA
2012(平成24)年12月1日から、自社での
ICOCA
・ICOCA定期券販売を開始した。
同時にJR、京阪(先行してICOCA定期券を導入していた)との連絡定期券も取り扱いし始めた。
PiTaPaの区間指定割引が貧弱であるせいか、磁気定期券からのICカード切り替えが伸び悩んだ末の施策であろう(京阪もPiTaPaでは区間指定割引のみ利用できる)。
再検索