ATA
読み:エイティーエイ
外語:ATA: AT Attachment
ハードディスクドライブ
などを接続するための
インターフェイス
の規格の一つ。
目次
概要
特徴
IDE
E-IDE
ATAPI
48ビットLBA
規格の歴史
沿革
接続仕様
ATA-1
ATA-2
ATA-3
ATA-4/ATAPI-4
ATA-5/ATAPI-5
ATA-6/ATAPI-6
ATA-7/ATAPI-7
ATA-8/ATAPI-8
概要
1986(昭和61)年に
Compaq
とConner Peripherals(後に
Seagate Technology
が買収)により開発された、
IDE
と呼ばれる仕様に由来する。
これは、当時主流だった
ST-506
や、その高速版である
ESDI
に対しレジスターレベルで互換性を持たせたまま、インテリジェント化したものであった。
利便性が良かったことから、ハードディスクドライブメーカーが1989(平成元)年、これを共通仕様「ATA」とした。これが1994(平成6)年にANSI X3.221-1994として標準化され、以降は主流となった。
主として
PC/AT互換機
で使われるが、この技術は後期のNEC
PC-9800シリーズ
でも使われている。
特徴
IDE
ATAの元となった仕様である。
この仕様は、ATA-1として公式なものとなった。
E-IDE
IDEを拡張した仕様である。
PC/AT互換機
の
BIOS
では、様々な事情により528Mバイト(504Miバイト)までしか対応できなかった。この対策を含めた拡張仕様がE-IDEである。
これは、様々なベンダーの独自拡張をまとめた
デファクトスタンダード
であり、標準規格ではない。公式な仕様としては、ATA-2に対応する。E-IDEの特徴は、次のようなものがある。
ATAPI
の採用により、CD-ROMなどの接続にも対応
プライマリ/セカンダリの導入により、接続できる装置は最大4台
LBA
の導入で「504Mバイトの壁」を超えた。この時点ではBIOSの制限で最大容量8.4Gバイト(7.8Giバイト)
Fast ATA
による高速転送モードの追加。転送速度は11.1Mバイト/秒と13.3Mバイト/秒
なお、「504Mバイトの壁」を超えるためにはドライブだけでなくBIOSの拡張も必要で、この対応も含めてE-IDEという。
ATAPI
IDEは元々ハードディスクドライブの接続しか想定していなかった。
そこで、それ以外のデバイスに対してはSCSIのようなパケット形式のコマンドを用いることにより、様々なデバイスに対応可能とした。この仕様がATAPIである。
この仕様は当初はSFF-8020、後にINF-8020と呼ばれ、ATAとは異なる独自の規格であったが、ATA/ATAPI-4からATA規格と統合された。
48ビットLBA
E-IDEから導入された
28ビットLBA
を48ビットに拡張するものである。
Maxtor
が
Big Drive
として提唱し、その後ATA/ATAPI-6規格で「48bitLBA」という名で正式に仕様となった。
28ビットLBAと48ビットLBAはコマンドで切り替える。48ビットLBA未対応のドライブでは当然切り替えられないので、従来と同様に動作する。このため、完全な上位互換がある。
なお、BIOSについては28ビットLBAに対応した時点で拡張INT13のパラメーターは64ビットまで対応したため、特別な変更は不要である。
48ビットLBAでは最大で約144Pバイトまで対応するが、
マスターブートレコード
の制限により「2Tバイトの壁」が発生する。この壁はGPT(
GUIDパーティションテーブル
)で超えることが出来る。対応は
Windows Vista
以降である。
規格の歴史
沿革
ATAは拡張が続き、複数のバージョンが存在する。
ATA-1(ANSI X3.221-1994)
ATA-2(ANSI X3.279-1996)
ATA-3(ANSI X3.298-1997)
ATA-4/ATAPI-4(ANSI NCITS 317-1998)
ATA-5/ATAPI-5
ATA-6/ATAPI-6
ATA-7/ATAPI-7
ATA-8/ATAPI-8
元々ATAとATAPIは異なるものだったが、後に統合された。
接続仕様
パラレルである従来のATA(
パラレルATA
)は、信号ケーブルに40または80芯のフラットケーブルを用いている。
信号電圧は
5V
である。
ATA-7/ATAPI-7以降はシリアルの仕様が追加され、これを
シリアルATA
という。パラレルATAと互換のモードも持っているが、現実にはあまり使われず独自のモードで利用されているため、両者は現実には別物と言える。
ATA-1
ATA-1(ANSI X3.221-1994)は、ケーブル1本(1ホスト)につき1台のハードディスクを接続することができた。ATAは2ホストまでサポートしているため、最大で2台のハードディスクが接続可能である。
1台あたりの最大容量は528Mバイト、転送速度は2〜3Mbps程度となる。
ATA-2
しかしその機能不足は否めず、その後ATA-2(ANSI X3.279-1996)からは機能が拡張され、1つのホストに
マスター
/
スレーブ
という区別を付けることで2台の装置を扱えるようにした。
またハードディスク以外の装置も接続可能になり、
LBA
と呼ばれる機構により528Mバイトを超えるドライブも扱えるようになった。
これは一般にEnhanced IDE(
E-IDE
)とも呼ばれる。
ATA-3
更に、ATA-3(ANSI X3.298-1997)で
S.M.A.R.T.
と呼ばれる自己監視機能のサポートが行なわれた。
ATA-4/ATAPI-4
ATA/ATAPI-4(ANSI NCITS 317-1998)でUltra DMAモードによる高速なデータ転送機能(Ultra ATA/33)、
ATAPI
仕様の統合、
CRC
によるエラー検出などがサポートされた。
ATA-5/ATAPI-5
Ultra ATA/66(
Fast ATA
)(Ultra DMA モード4)に対応。
ATA-6/ATAPI-6
Ultra ATA/100に対応。
ATA-7/ATAPI-7
Ultra ATA/133(
Fast Drives
)(Ultra DMA モード6)に対応。
シリアルATA
を仕様に追加。
ATA-8/ATAPI-8
シリアルATA II
を仕様に追加した。
具体的には、次のような仕様を含む。
Ultra DMA モード6(いわゆるUltra ATA/133)までのパラレルATA
シリアルATA 1.0a
シリアルATA II
シリアルATA 外部インターフェイス
アクセスLED用の信号ピン(SAS(Serial Attached SCSI)の仕様)
EESA(Enterprise Extensions Smart Accessed)
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