辛味
読み:からみ
外語:sharp taste

 辛いと感じる味。
目次

概要
 ヒトの場合、実は辛味は味覚ではない。
 辛いという感覚は実際は味覚ではなく痛覚であり、さらに嗅覚、口腔内粘膜の血管拡張作用(温覚)などを総合的に脳で判断した結果が「辛い」という感覚である。

特徴

受容体
 辛味は、温度刺激を関知する「TRPチャネル」が受容体となることが知られている。
 例えば唐辛子の辛味成分であるカプサイシン、生姜の辛味成分ジンゲロール、胡椒の辛味成分ピペリンなどは、いずれも43℃以上で活性化される熱刺激受容体、バニロイド受容体(TRPV1、VR1)に結合し、活性化させる。
 この受容体は、身体に危害を及ぼしうる高温や低pH(強酸性)で活性化されるもので、「痛み」の刺激を脳へと伝える働きをしている。
 なお、メントールは25℃以下の冷刺激受容体、山葵のアリルイソチオシアネートや、シナモンのシナモアルデヒドは17℃以下の冷刺激受容体のリガンドとなる。

基本味との差
 基本味との差は、その知覚が味蕾(の味細胞)から知覚神経を介して感知されるか否か、という点にある。辛味は、この経路では感知されないため、味覚ではないのである。
 例えば、砂糖水を皮膚に塗っても甘いとは感じないが、カプサイシンを皮膚に塗れば熱い、または痛いと感じる。これが舌で感じた場合には、「辛い」と判断されることになる。

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