二次電池
読み:にじでんち

 金属化合物による化学反応を利用して電気を作る化学電池のうちで、充電により繰り返し使用できるもの。
目次

概要
 乾電池のような使い切りの「一次電池」と区別するため、こう呼ばれる。
 一般には充電池と呼ばれるが、学術用語としては二次電池または蓄電池が正しい。

特徴

充電
 二次電池に、放電時と逆の電位で電気を加えると、放電とは逆の化学反応を起こす。こうして、再び放電の化学反応を発生できるようにし、電気を取り出せる状態とする。これが充電である。
 理想的には、放電が終わってから、満充電状態まで充電するのが良く、この方が一般に長持ちする。
 但し放電にも規定量があり、規定以上放電してしまうと過放電、それが長時間続くと深放電と呼ばれ、これは電池を著しく劣化させる。
 また使う度に充電する運用方法をトリクル充電というが、この場合、電池によってはメモリー効果が発生し、やはり性能を大幅に劣化させることがある。

種類
 次のようなものが使われている。使う金属ごとに分類する(順不同)。

金属

変遷
 使う金属も、歴史の中で変化している。その理由も様々なものがあり、政治的理由といったものもある。
 初期にはカドミウムを使った二次電池があったが、有害物質であるため、RoHS指令などにより電気・電子機器向けとしては姿を消した。乗用車用としては今も鉛蓄電池は残っている。
 現在使われている主な金属には、鉛、ニッケル、リチウム、ナトリウムなどがある。

リチウム
 リチウムを使う電池は電圧が高い特徴がある。リチウムイオン二次電池なら約3.6Vである。これに対して、eneloopなどで有名で対抗となるニッケル水素蓄電池は電圧が1.2Vしかない。
 この他、ニッケル水素はリチウムイオンと比べて重いという弱点もあり、軽くて高電圧ということで、リチウムイオンは広く使われている。このような理由で、以前はリチウムを使った二次電池の開発が盛んであったが、最近は他の金属が模索され始めている。
 リチウムの持つ欠点としては、リチウム資源の地域的偏在がある。リチウムは希少金属(レアメタル)であり量が少ないことに加え、資源の大半が南米に集中している。このため、ボリビアでのリチウム国有化問題等が生じた。日本でも、海水からのリチウム回収などが研究されている。

ナトリウム
 近年は、リチウムと同族のナトリウムを使った二次電池が研究されている。ナトリウムは食塩(塩化ナトリウム)として身近にあるほど埋蔵量が豊富な上に入手性も高いといった利点があり、政治的動向に左右されないためのレアアースフリーといった近年の流れからも魅力的な素材である。
 価格的にもナトリウムは優位で、負極材の母材も、リチウムイオン二次電池では銅箔を使うが、ナトリウムイオン二次電池ではアルミ箔が使えるためコスト低下につながるとされている。

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