リタリン
読み:リタリン
外語:Ritalin
塩酸メチルフェニデート
を成分とする、
中枢神経
興奮剤の一つ。
商品名は、"リタリン錠「チバ」" あるいは "リタリン散「チバ」" で、俗称「リタ」。
日本では製造が日本チバガイギー、販売がノバルティスファーマ。
目次
薬品の情報
製品
効果・効能
用法・用量
成分・添加物
成分
添加物
規制区分
剤形
風味等
名称の由来
注意点
副作用など
薬品の特徴
覚醒剤
鬱病
問題化と結末
上限と極量
依存症
薬品の情報
製品
10mg錠は薬品コード1179 009F 1027、識別コードCG 202。薬価は11.20円/1錠。
1%散は薬品コード1179 009B 1025。薬価は11.40円/1%1g。
効果・効能
ナルコレプシー(居眠り病)
難治性鬱病
遷延性鬱病
用法・用量
ナルコレプシー(居眠り病)では、塩酸メチルフェニデートとして、通常成人1日20mg〜60mgを1〜2回に分割経口服用する。
鬱病では、塩酸メチルフェニデートとして、通常成人1日20mg〜30mgを2〜3回に分割経口服用する。
年齢・症状に応じて適宜増減する。
成分・添加物
成分
塩酸メチルフェニデート
添加物
乳糖
第三燐酸カルシウム (錠剤のみ)
トウモロコシデンプン
(錠剤のみ)
ヒドロキシプロピルセルロース (錠剤のみ)
燐酸二水素カルシウム (錠剤のみ)
ゼラチン
(錠剤のみ)
タルク(滑石) (錠剤のみ)
ステアリン酸マグネシウム (錠剤のみ)
規制区分
劇薬
向精神薬
処方せん医薬品
本剤は向精神薬であるため、2002(平成14)年3月18日厚生労働省告示第九十九号により、投与量は一回につき14日分が限度となる。
剤形
錠剤は割線入り裸錠であり、色は
白色
である。
散剤は、白色の散剤である。
風味等
味は苦い。
名称の由来
不明。
注意点
小児への安全性は確立していない。老人への投与は、減量するなど注意すること。
妊婦・授乳中の婦人へは投与しないことが望ましい。兎の動物実験で、大量投与(200mg/kg/日)により催畸形性(二分脊椎)が報告されている。
副作用など
口渇、発汗、頭痛、食欲減退などが確認されている。
精神神経系
頭痛・頭重 (5%以上)
注意集中困難 (5%以上)
神経過敏 (5%以上)
不眠、眠気 (5%以上)
消化器系
口渇 (5%以上)
食欲不振 (5%以上)
胃部不快感 (5%以上)
便秘 (5%以上)
循環器
心悸亢進 (5%以上)
不整脈
(5%以上)
過敏症
発疹 (5%未満、注意)
関節痛 (5%未満、注意)
紅斑等 (頻度不明、注意)
その他
排尿障害 (5%以上)
性欲減退 (5%以上)
発汗 (5%以上)
筋緊張 (5%以上)
過敏症(発疹、関節痛、紅斑等)が生じた場合は服用を中止すること。
薬品の特徴
覚醒剤
この薬には覚醒作用があり、錠剤は
第一種向精神薬
、散剤は
第二種向精神薬
として扱われる。
この成分は
覚醒剤
の成分と極めて類似していて、言うなれば「合法の覚醒剤」である。ナルコレプシー(居眠り病)、ADD/ADHD(
注意欠陥/多動性障害
)の治療薬として使われる。
鬱病
当初、添付文書の効能又は効果に「軽症鬱病、抑鬱神経症」があったため鬱病にも使われ、鬱病患者の間では非常に有名な薬となった。
しかし覚醒剤なので、飲み続けていくうちに量を増やさないと効かなくなり、薬が切れた時の苦しみも強くなっていく依存症がある。このため賛否両論があった。
そもそも、覚醒剤に過ぎないリタリン自身に、鬱などの心の病を癒す力が無いのは事実である。しかし、対処療法薬として使うには優秀なものだった。鬱の諸症状を緩和し、日常生活を楽にすることで、間接的に鬱からの脱却を手助けする働きが期待できるからである。
問題化と結末
しかし、遊びで薬を飲む一部の愚かな
ジャンキー
のせいで誤った知識が横行し、悪い噂がたって医者や患者がこの薬を使うことに消極的になってしまった。このため本当に薬を必要としている人に行き渡らない状況になってしまったことは、残念というしかない。
こうしたリタリンの乱用が問題化して再評価された結果、添付文書の効能又は効果の「軽症鬱病、抑鬱神経症」が削除されたので、今後、この症状でリタリンが処方されることは基本的に無くなった。鬱では、難治性鬱病・遷延性鬱病でしか処方されない。
また、ADD/ADHDにもより安全な薬が開発されたため、事実上のナルコレプシー専門薬になったわけである。
上限と極量
上限は一日6T(60mg)であるが、ナルコレプシーでもない限り1日60mgは既に依存症である。
かつてあった「
極量
」は8T(80mg)だが、それ以上飲む人は重度のリタリン中毒であり、治療が必要である。
依存症
乱用者は日に10錠、月にすれば300錠くらい飲んだりすることもあるようだが、ここまで来ると完全な中毒である。
添付文書によれば、
副作用
として脳動脈炎や
脳梗塞
、狭心症などをおこす危険性があるとされており、要するに死ぬ。
また中毒性精神病(要するに統合失調症(精神分裂病))に至る可能性もあり、こうなっては死ぬより悲惨なことになるだろう。
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