HyperTransport
読み:ハイパートランスポート
外語:HyperTransport

 AMDが開発したマザーボード上に実装されるチップ間インターフェイスの一つ。
 開発コードネームはLightning Data Transport(LDT)。アメリカ テキサス州の非営利法人HyperTransport Technology Consortiumが管理とライセンス供与を行なっている。
目次

概要
 HyperTransportは、ノースブリッジと、InfiniBandPCIコントローラー、サウスブリッジなどとデイジーチェーン接続するバスであり、IC間をポイント・トゥー・ポイントで結ぶ。
 HyperTransportはマザーボード実装のみが前提となっていてカード等による追加ということはできないが、現在さまざま存在するマザーボード上のバスを、これによってある程度統一することが可能となる。

バージョン
 次のバージョンが存在する。
 以降ではHyperTransport 1について述べる。

HyperTransport 1の特徴
 特徴としては、データ幅(レーン数)は2・4・8・16・32ビットから選ぶことができ、必要となるピン数が少なく済む点があげられる。
 2レーン構成で24ピン(信号線はこのうち16本)、32レーン構成で197ピン(信号線は148本)である。
 速度は、HyperTransport 1.1までは800MHz動作で、1レーン当たり最大1.6Gバイト/秒、全体で最大12.8Gバイト/秒、である。
データ幅 (レーン)2481632
信号線データピン数8163264128
クロックピン数444816
制御ピン数44444
小計16244076148
電源電源(VHT)223610
GND46101937
PWROK11111
RESET_L11111
総ピン数243455103197
最大転送速度 (GB/s @800MHz)0.81.63.26.412.8
 また既存のプラグアンドプレイに準拠しているため、OSからは通常のPCIバスと認識される。そのため特別なデバイスドライバーを必要としない。

対抗と設計思想
 この規格に対抗するIntel規格のバスには、次のものがある。
 バスを汎用化するか専用化するかは設計思想(コンセプト)の問題で、それ自体に善し悪しは無い。Intelの場合はこのように専用化し、用途ごとに別々のインターフェイスが用意されている。専用化された場合、一般には余分な制御などが不要となるため、高速化される。
 対して、HyperTransportは汎用バスである。
 Intelの場合、ノースブリッジもサウスブリッジも自社で作る技術力があるので、その間のバスは専用バスかつ非公開でも問題はない。しかしAMDはサウスブリッジまで独占するだけの力がないため、汎用バスで、かつ仕様がオープンになった。

採用例
 Intelは当然採用しないので、それ以外が採用している。
 AMDのOpteronAthlon 64シリーズ、TransmetaのEfficeonなどで採用され、PC/AT互換機で主として使われることになるが、Apple ComputerのG5搭載Power Macでも採用されている。

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