FORTRAN
読み:フォートラン
外語:FORTRAN: FORmula TRANslation

 1954(昭和29)年1月に、IBMのジョン・バッカス(John W. Backus)によって提案された世界最古の高水準プログラミング言語英語で「数式翻訳」の意である。
目次

情報

概要
 IBM 704メインフレーム向けに、アセンブリ言語に代わる高級言語として開発が開始され、最初の言語仕様は1954(昭和29)年に完成した。IBM 704向けの実際の処理系は1957(昭和32)年4月に初駆動し、主に科学技術計算に使われた手続き型言語である。
 COBOLと同じく昨今ではプログラマーは激減したが、FORTRAN 66以降はANSIおよびISOで仕様策定が行なわれており、Fortran 90以降は名前も少し変更になり大幅な仕様変更が入り、21世紀に入ってからのFortran 2003以降はオブジェクト指向を導入するなど新しいトレンドを取り入れながら仕様改定が続いている。

特徴



変数

変数の型
 FORTRANの変数には整数型と実数型があり、区別が必要である。
 変数定義において整数型実数型(単精度倍精度)を選ぶことが可能。
 integer a1,a2,a3
 real i1,i2,i3
 double precision j1,j2,j3
 但し、暗黙の了解として1文字変数は、a〜hおよびo〜zは単精度の実数型、i〜nは整数型となる。またコンパイラーの最適化機構によりレジスター変数となるように試みられるため、この規則に従うのであれば変数は特に宣言しなくても自動的に最適に解釈される。
 この規則により変数iやjなどは暗黙でジスター変数となるためループカウンターとして使われる習慣があり、これがCなど、その規則がない他の言語にも引き継がれて今に至る。つまりC/C++など他の言語でもループカウンターにiやjが使われているのは、FORTRANの仕様およびその習慣が由来となる。

変数iやj
 暗黙の整数がiから始まるのは設計がそもそも理工系向きの言語であるためで、数学や物理の習慣が反映されている。
 例えば数学では数列の和(総和)を表わす記号Σの添え字にiが使われていたり(iは虚数記号でもあるため、最近はkを使うことも多い)、デカルト座標系でxyz方向の各ベクトルをi、j、kで表わすこともある。これに更に3文字LMNを追加し、iから始まる6文字IJKLMNが暗黙の整数型とされたことが由来だとされる。
 またiは、Integer、Index、Iteratorなどの頭文字でもあるため都合が良いということもあった。
 加えてiはギリシャ文字のι(イオタ)に由来するがiotaは英語で「僅かな量」を意味し、またiotaを語源としてjotという語も英語で「少量」を意味する。ループカウンターのように小さな変化を表わすのにiやjが使われる理由の一つともされる。

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