A.M.チューリング賞
読み:エイエム-チューリングしょう
外語:A.M. Turing Award: Alan M. Turing Award
情報工学や計算機科学におけるもっとも権威ある賞で、ACMから贈られる。
概要
天才数学者アラン・マティソン・チューリング(Alan Mathison Turing)の名から賞の名前がとられた賞である。
この賞は、化学や物理学などでのノーベル賞に匹敵する賞とみなされている。
現在は、IntelとGoogleの協賛により、受賞者に賞金25万ドルが贈られている。
受賞者一覧
- 1966(昭和41)年: アラン・パリス(Alan J. Perlis)
- コンパイラーの開発
- 1967(昭和42)年: モーリス・ウィルクス(Maurice V. Wilkes)
- EDSACの開発
- 1968(昭和43)年: リチャード・ハミング(Richard W. Hamming)
- 誤り訂正コード(ハミングコード)の研究
- 1969(昭和44)年: マーヴィン・ミンスキー(Marvin Minsky)
- 人工知能の研究
- 1970(昭和45)年: ジェームズ・ウィルキンソン(James H. Wilkinson)
- 線形代数の研究
- 1971(昭和46)年: ジョン・マッカーシー(John McCarthy)
- 人工知能の研究
- 1972(昭和47)年: エドガー・ダイクストラ(Edsger W. Dijkstra)
- 構造化プログラミング
- 1973(昭和48)年: チャールズ・バッチマン(Charles W. Bachman)
- データベースの研究
- 1974(昭和49)年: ドナルド・クヌース(Donald E. Knuth)
- アルゴリズム分析
- 1975(昭和50)年: アレン・ニューウェル(Allen Newell)、ハーバード・サイモン(Herbert A. Simon)
- 人工知能の研究
- 1976(昭和51)年: デーナ・スコット(Dana S. Scott)、ミッチェル・ラビン(Michael O. Rabin)
- 有限オートマトンの研究
- 1977(昭和52)年: ジョン・バッカス(John W. Backus)
- FORTRANの開発
- 1978(昭和53)年: ロバート・フロイド(Robert W. Floyd)
- ソフトウェア工学の研究
- 1979(昭和54)年: ケネス・アイバーソン(Kenneth E. Iverson)
- プログラミング言語APLの開発
- 1980(昭和55)年: アントニー・ホーア(C. Antony R. Hoare)
- プログラミング言語の設計に関する研究
- 1981(昭和56)年: エドガー・コッド(Edgar F. Codd)
- リレーショナル・モデル・データベースの研究
- 1982(昭和57)年: ステファン・クック(Stephen A. Cook)
- NP完全問題の存在の証明
- 1983(昭和58)年: ケン・トンプソン(Ken Thompson)、デニス・リッチー(Dennis M. Ritchie)
- UNIXの開発
- 1984(昭和59)年: ニクラウス・ヴィルト(Niklaus Wirth)
- プログラミング言語Pascalの開発
- 1985(昭和60)年: リチャード・カープ(Richard M. Karp)
- NP完全問題の研究
- 1986(昭和61)年: ジョン・ホップクロフト(John Hopcroft)、ロバート・タージャン(Robert E. Tarjan)
- データ構造の研究
- 1987(昭和62)年: ジョン・クック(John Cocke)
- RISCの発明
- 1988(昭和63)年: イワン・サザーランド(Ivan E. Sutherland)
- コンピューターグラフィックス
- 1989(平成元)年: ウィリアム・カーン(William V. Kahan)
- 浮動小数点の研究
- 1990(平成2)年: フェルナンド・コルバト(Fernando J. Corbato)
- シェアリング・システムの開発
- 1991(平成3)年: ロビン・ミルナー(Robin Milner)
- LCF, ML, CCSの研究
- 1992(平成4)年: バトラー・ランプソン(Butler W. Lampson)
- セキュリティの研究等
- 1993(平成5)年: ジュリス・ハートマニス(Juris Hartmanis)、リチャード・スターンズ(Richard E. Stearns)
- アルゴリズム計算量の研究
- 1994(平成6)年: エドワード・ファイゲンバウム(Edward Feigenbaum)、ラージ・レディ(Raj Reddy)
- 人工知能の研究
- 1995(平成7)年: マヌエル・ブラム(Manuel Blum)
- 暗号化における計算量の研究
- 1996(平成8)年: アミール・プヌーリ(Amir Pnueli)
- 時相論理(Temporal Logic)の開発
- 1997(平成9)年: ダグラス・カール・エンゲルバート(Douglas C. Engelbart)
- インタラクティブ・コンピューティング
- 1998(平成10)年: ジェームズ・グレイ(James Gray)
- トランザクション処理の研究
- 1999(平成11)年: フレドリック・ブロックス(Frederick P. Brooks, Jr.)
- ソフトウェア工学への寄与
- 2000(平成12)年: アンドリュー・チーチー・ヤオ(Andrew Chi-Chih Yao)(姚期智)
- 疑似一様乱数、暗号の研究
- 2001(平成13)年: オルヨハン・ダール(Ole-Johan Dahl)、クリステン・ニガード(Kristen Nygaard)
- オブジェクト指向プログラミング
- 2002(平成14)年: ロナルド・リベスト(Ronald L. Rivest)、アディ・シャミア(Adi Shamir)、レオナルド・エーデルマン(Leonard M. Adleman)
- 公開鍵暗号方式(RSA)の開発
- 2003(平成15)年: アラン・カーティス・ケイ(Alan C. Kay)
- プログラミング言語Smalltalkの開発
- パーソナルコンピューターの構想
- 2004(平成16)年: ヴィントン・サーフ(Vinton G. Cerf)、ロバート・カーン(Robert E. Kahn)
- インターネットにおけるTCP/IPの研究と普及
- 2005(平成17)年: ピーター・ナウア(Peter Naur)
- ALGOL60の開発とプログラミングスタイルの確立
- 2006(平成18)年: フランシス・アレン(Frances E. Allen)
- 最適化コンパイラー技術の研究開発
- マルチプロセッサー環境での自動プログラム並列化の研究
- 2007(平成19)年: エドムンド・クラーク(Edmund Melson Clarke, Jr.)、アレン・エマーソン(Ernest Allen Emerson)、ジョセフ・シカキス(Joseph Sifakis)
- ハードウェアやソフトウェア開発に広く使われたモデル検査の開発
- 2008(平成20)年: バーバラ・リスコフ(Barbara H. Liskov)
- プログラミング言語、システム設計(特にデータ抽象化、フォルトトレランス、分散コンピューティング)に関する実践と基礎理論への貢献
- 2009(平成21)年: チャールズ・P・サッカー(Charles P. Thacker)
- 最初の近代的なパソコンの設計と実現の先駆者としての活動、影響力の大きい発明、そして、LAN(とEthernet)、マルチプロセッサーワークステーション、snooping cache coherenceプロトコル、タブレットパソコンへの貢献
- 2010(平成22)年: レスリー・ヴァリアント(Leslie G. Valiant)
- 確率的近似(PAC)学習理論、列挙型と代数計算の複雑さ、並列と分散コンピューティングの理論に関する計算理論の変革への貢献
- 2011(平成23)年: ジューディア・パール(Judea Pearl)
- 人工知能の先駆的研究への貢献
- 2012(平成24)年: シャフィ・ゴールドワッサー(Shafi Goldwasser)、シルビオ・ミカリ(Silvio Micali)
- 計算複雑性理論と暗号理論への貢献
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