EDSAC
読み:エドサック
外語:EDSAC: Electronic Delay Storage Automatic Calculator
イギリスで開発された初期のコンピューターの一つ。
目次
概要
特徴
主記憶装置
ビット構成
命令語など
概要
1949(昭和24)年に完成した世界初の
実用的な
プログラム内蔵方式
(
ノイマン型
)のコンピューターである。
ケンブリッジ大学 数学研究所のモーリス・ヴィンセント・ウィルクス(Maurice Vincent Wilkes)および研究員らにより、世界で2番目となる
プログラム内蔵方式コンピューター
として開発された(1番目はManchester Small-Scale Experimental Machine)。
2進数
方式の採用、
プログラム
の内蔵、逐次処理を実現している。
特徴
主記憶装置
主記憶装置
(
メインメモリー
)には
水銀遅延線
が採用された。
ビット構成
メインメモリーのアドレス空間は1024ワードで、1ワードは17ビット構成だったが、記憶装置の都合によりもう1ビットが存在する。17ビットの構成は上位ビットから次の通り。
5ビット: 命令コード
1ビット: 未使用(予備)
10ビット: メモリーアドレス
1ビット: オペランドがショートワードかロングワードかのフラグ
1ワード17ビットはショートワードとされ、2ワードを1組とした「ロングワード」も可能だったが、記憶装置の都合によるビットが1ビット間に組み込まれるため17+1+17で計35ビットで利用できたという。
命令語など
影響を受けたEDVACは2入力1出力をメモリーに対して実行するため命令語にアドレスを3つ含んでいたが、EDSACはメモリーのワードとアキュームレーターとの演算を基本とする構成となっている。
命令にはビット演算として右シフトと左シフト、AND演算などを備え、また四則演算のうち加算、減算、乗算が可能だった。除算命令はないため、必要であればプログラムによって実現する。
プログラムとデータを同じメモリー空間に置くプログラム内蔵方式であり、
アキュームレーター
からメモリーにストアする命令も当然ある。しかしロードの専用命令はなく、予めアキュームレーターを0クリアしてからアキュームレーターにメモリーワードの内容を加算する命令でこれを代替していたという。
条件付きのスキップ命令などもあるが、文字の印字、
穿孔テープ
からの読み込みといった命令語もあったという。
また、何もしない命令(
NOP
)がEDSACの時点で既に存在していたことも注目に値する。
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